懇親会の挨拶を頼まれたら?中締め・締めの例文と基本の流れ

2025/7/17

懇親会で「挨拶をお願いします」と言われて、何を話せばいいか悩んでいませんか?

乾杯や中締め、締めなど、場面ごとに役割もマナーも異なり、特に初めて任される人にとっては緊張するものです。

この記事では、懇親会でよく登場する挨拶の種類や違い、スムーズに進行するためのポイント、さらにシーン別の例文までをまとめて紹介します。

懇親会の挨拶とは?基本の流れと役割

懇親会における挨拶には、会の進行をスムーズにするための役割があります。主催者のあいさつから始まり、乾杯や中締め、締めなど、場面ごとに適切なタイミングで挨拶を行うことで、参加者全体の意識を統一し、メリハリのある運営が可能になります。

以下は、一般的な懇親会の進行例です。

【懇親会の一般的な流れ】

  1. 受付・開場
  2. 主催者による開会のあいさつ
  3. 乾杯のあいさつ・発声
  4. 歓談・食事
  5. 中締めのあいさつ(一部参加者の退出前など)
  6. 締めのあいさつ・一本締めなど

挨拶の内容や担当者は、会の目的や参加者構成によって異なる場合があります。

次章では、よく使われる「乾杯」「中締め」「締め」の違いと注意点を解説します。

乾杯・中締め・締めのタイミングと目的

懇親会の挨拶にはいくつかの種類があり、それぞれに目的と役割があります。

特に混同しやすいのが「乾杯」「中締め」「締め」です。進行上、誰がどのタイミングで挨拶を行うべきかを理解しておくことは、円滑な運営において重要です。

乾杯の挨拶のタイミングと目的

乾杯の挨拶は懇親会のスタートを知らせる合図として行われます。会の冒頭で場の雰囲気を和らげ、参加者全体の一体感を高める役割があります。

タイミング 会の冒頭・閉会後すぐ
目的 会の始まりを参加者に伝え、場を和ませる
挨拶をする人 主催者または上位役職者が務めることが一般的

挨拶は1分程度に簡潔にまとめ、祝辞や歓迎の言葉のあとに「乾杯!」の発声で締めくくります。

中締めの挨拶のタイミングと目的

中締めは、会の途中で一度区切りを入れる際に行います。一部の参加者が退出しやすくなる配慮であり、特に関西圏ではこれが正式な終了とされる場合もあります。

タイミング 歓談終了の目安となる時間帯
目的 一部の参加者を退出しやすくするための区切り
挨拶をする人 主催者側の中堅クラスや、締め役とは別の人が行うことが多い

会場や地域性、社内文化によって意味合いが異なるため、事前に確認しておくと安心です。

締めの挨拶のタイミングと役割

締めの挨拶は、懇親会を正式に終了するためのあいさつです。参加者への感謝を述べた上で、一本締めや三本締めなどを行うケースもあります。

タイミング 会の終了時
目的 参加者への感謝を伝え、会を正式に締めくくる
挨拶をする人 主催者または主催者側の代表が務める

参加者全体で締めの動作を行うことで、会のまとまりが生まれます。

挨拶を頼まれたときに押さえておきたいポイント

懇親会の挨拶を担当する際は、事前にポイントを押さえておくことで、スムーズかつ印象の良いあいさつが可能になります。

ここでは、基本的なマナーや話し方のコツをまとめました。

挨拶の時間は1~2分以内を目安に

乾杯、中締め、締め、どの挨拶でも基本的には1~2分以内が理想です。長すぎる挨拶は会の進行を妨げ、聞き手にとっても集中しづらくなります。

たとえば、5分以上のスピーチになると、食事や歓談の時間を削ることになり、全体のスケジュールに影響することもあります。

簡潔にまとめることで、聞きやすく、印象にも残りやすくなります。

内容はシンプルかつ前向きに

挨拶の内容は誰にでも伝わるシンプルな言葉が基本です。難解な言い回しや特定の内輪ネタは一部の人にしか伝わらず、場がしらけてしまう可能性もあります。

たとえば、「〇〇部の伝説の飲み会を超えましょう!」のような表現は、関係者以外には意味が伝わりにくい場合があります。

会の趣旨を理解し、公共性のある表現やポジティブなメッセージでまとめると安心です。

話の構成を意識する

短い時間での挨拶では、話の流れを意識して構成すると、聞き手にとっても理解しやすい挨拶になります。準備せずに話すと、内容が散漫になり、伝えたいことがぼやけてしまうことがあります。

「自己紹介 → 感謝 → 会の趣旨に触れる → 締めの言葉」という順番を意識するだけでも、挨拶にまとまりが出ます。

短時間で伝えたいことが整理できるので、挨拶に不慣れな人にもおすすめです。

声のトーンと視線に気を配る

声の大きさや話すスピード、視線は印象を大きく左右します。

小さな声や下を向いた話し方では、話の内容が良くても伝わりにくくなります。反対に、自信が感じられる話し方は、聞き手に安心感を与えることができます。マイクを使っていても、会場の後方まで意識して話すようにすると、全体に届きやすくなります。

視線は、全体を見渡すようにすると良いですが、恥ずかしいと感じる場合は、正面の少し上を見て話すようにしてみてください。

シーン別|懇親会の挨拶例文集

懇親会での挨拶は、会の目的や参加者の構成に応じて内容が異なります。以下では、シーン別に挨拶の例文をまとめました。

なお、中締めの挨拶は、参加者が途中で退席する可能性がある場合や、会の後半で一区切りを入れたいときに行います。社内懇親会では一般的ですが、保護者会や交流会では行わないケースも多いため、必要に応じて運営側と確認してください。

社内懇親会の挨拶例文

職場内で行われる懇親会では、乾杯や締めに加えて、中締めの挨拶を挟むケースもあります。立場や役職に応じた適切な内容を意識しましょう。

乾杯の挨拶

乾杯の発声を任された際に使える挨拶例です。

本日はこのような会に参加させていただき、ありがとうございます。

普段なかなかお話しできない方々とも交流できる機会を大切にしたいと思います。
それでは、皆さまのご健勝とご活躍を祈念して——乾杯!

中締めの挨拶

歓談の終わりや一部の参加者が退席するタイミングで使える挨拶例です。

そろそろお時間となりましたので、ここで中締めとさせていただきます。

本日は活発な交流ができ、大変有意義な時間となりました。この後も残られる方は、引き続きご歓談をお楽しみください。ありがとうございました。

締めの挨拶

会の最後に一本締めで締める際に使える挨拶例です。

本日はご参加ありがとうございました。

仕事ではなかなか話せない一面も知ることができ、貴重な時間となりました。

今後の業務でも、今日の交流を活かしてさらに良いチームワークにつなげていければと思います。それでは、一本締めで締めさせていただきます。 よーっ、パン!

社外懇親会(異業種交流会など)

社外の懇親会や異業種交流会では、初対面の参加者も多いため、誰にでも伝わる表現や配慮のある言葉選びが求められます。

開会の挨拶

異業種交流会や外部との懇親会で使える開会時の例文です。

本日はお忙しい中、懇親会にご参加いただきありがとうございます。

普段なかなか接点のない皆さまとお話しできる貴重な機会を楽しみにしておりました。

業種や立場の垣根を越え、自由に交流を深めていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

締めの挨拶

会の最後に感謝を伝えるための挨拶例です。

本日は短い時間ではありましたが、貴重なお話を伺うことができ、大変有意義な懇親会となりました。

今後の業務のヒントや新たなご縁につながれば幸いです。最後になりますが、皆さまのますますのご発展をお祈りし、これにて締めのご挨拶とさせていただきます。

PTA・保護者会の懇親会

学校や園での懇親会では、子どもを通じた保護者同士のつながりを意識した挨拶が求められます。丁寧で落ち着いた言葉選びがポイントです。

開会の挨拶

開会時に保護者代表などが挨拶する際の例文です。

本日はお忙しい中ご参加いただきありがとうございます。

子どもたちの成長を見守るためにも、保護者同士のつながりは大切だと感じております。短い時間ではありますが、有意義な交流の機会になれば幸いです。

締めの挨拶

保護者会の懇親会を締めくくる際の例文です。

本日はご参加ありがとうございました。

今後も情報交換をしながら、子どもたちの活動を一緒に支えていければと思います。これにて懇親会を終了させていただきます。お疲れさまでした。

懇親会のイレギュラーケースでの挨拶

想定していた挨拶パターン以外の場面で突然あいさつを依頼されたり、雰囲気に応じて対応が求められるケースもあります。

ここでは、少人数のカジュアルな懇親会や二次会など、イレギュラーな場面に対応できる例文を紹介します。

二次会で再度乾杯をする場合

一次会に続いての二次会などで、もう一度乾杯の発声を頼まれた場合の例文です。

皆さま、引き続きご参加ありがとうございます。

一次会では時間が足りなかったという声もあり、二次会はもっと気軽に楽しんでいただければと思います。それでは、改めて——乾杯!

人数が少ないカジュアルな会の場合

少人数やフランクな会で、堅苦しい挨拶は不要だけど一言求められた場合の例文です。

本日はお集まりいただきありがとうございます。

気楽な雰囲気で、たくさんお話しできればと思います。どうぞよろしくお願いします!

急にその場で挨拶を頼まれたときの一言(超短縮型)

突然の指名で焦ったときにも使いやすい、30秒以内のシンプルな挨拶です。

突然ご指名いただき驚いておりますが……

本日はこのような会に参加でき、とても嬉しく思っております。短い時間ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

懇親会の挨拶は場に応じた配慮がポイント

懇親会での挨拶は、会の種類や参加者の構成に応じて内容や言葉選びが変わります。

乾杯・中締め・締めの違いを理解し、状況に合った挨拶を用意することで、会の進行も円滑になり、参加者の印象にも残りやすくなります。

本記事で紹介した例文はあくまで一例ですが、基本の構成やマナーを押さえていれば、初めて挨拶を任された場合でも落ち着いて対応できます。

必要に応じてアレンジしながら、実際の懇親会に役立ててください。

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