懇親会で感じの良い司会進行と基本の挨拶を徹底解説
2021/3/15
2021/03/15
懇親会の司会進行を任されて「嬉しい!」と思う人はなかなかいないでしょう。日本人には大勢の前で立ってしゃべることが苦手な人が多いです。「当日うまくできるだろうか」と、不安になる人もいるかもしれません。
でも、司会は決まり文句と時間の目安だけメモしていれば大丈夫。一般的な司会に対して周りはそれほど完璧を求めていません。司会を頼まれるということは、周りから信頼されているという証拠です。
この記事を読み終わる頃には
- 幹事と司会の違い
- 司会メモの作り方
- 司会の基本の挨拶と台本について
このような内容について詳しくなります。懇親会の司会の段取りと台本例については当サイトの以下の記事でもご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
Contents
◆懇親会の司会進行は重要~司会メモを作ろう
司会の目的は2つあります。1つ目はプログラムが滞りなく進めるための時間管理役、2つ目は懇親会の盛り上げ役です。この2つの役割の比重は、どのような懇親会なのかで変化します。
ご参考までに、以下の表をご覧ください。
【司会の2つの役割と規模別割合】
司会の役割 | 企業で上司もたくさん来る懇親会、30名以上の懇親会、1年に一度の定例懇親会 など | 社内でも小さなグループでの懇親会、参加者が15名以下の懇親会、バイト先の飲み会が など |
①プログラムが滞りなく進めるための時間管理役 | 80%~100% | 40~50% |
②場の盛り上げ役 | 0%~20% | 40%~50% |
あなたが司会をする懇親会の種類がどのようなものかにより、司会がすべき役割の%(比率)は上記のように異なります。早い話が、大規模な懇親会ほどスムーズに進行する時間管理が大切で、規模が小さめなら時間管理にそれほど神経をとがらせなくても良いという事です。
ただ、いずれの場合でも司会の人が進行中にちらっと見られる「司会メモ」を作っておくと便利です。プロの司会は宴会・パーティ―のために原稿を作ります。それほど手の込んだものでなくていいので、以下の内容を含むメモ程度でもあると司会当日の安心感が違います。
<司会メモの例>
「それではお時間になりましたので○○の歓迎会を執り行いたいと思います。司会はわたくし、営業2部の鈴木が仰せつかりました。」
「では今回の歓迎会を開くにあたりまして、小林専務より一言頂戴したいと思います。小林専務、よろしくお願いします。」
「では、早速ですが乾杯の音頭を営業1部の斎藤部長にお願いしたいと思います。斎藤部長、よろしくお願いします。」
「斎藤部長、ありがとうございました。では、お食事の用意ができたようですので、このあとは○時○分までお食事と歓談タイムとさせていただきます。」 (以下、省略) |
A4のサイズを二つに折り曲げたぐらいの紙に、何時にどのプログラム(例、開会の挨拶)が始まるのかと、簡単な司会の言葉をメモしておきましょう。プログラムが手元にないなら、幹事の人に「プログラムはいつもらえるかな?」と確認しておきます。
◆司会と幹事の違い
懇親会では司会と幹事の連携プレーが大切です。小さな規模の懇親会(15名以下)であれば司会と幹事の兼任もアリです。しかし、それ以上の規模であれば業務が煩雑になるので司会と幹事は分けた方が良いでしょう。
◇司会の仕事
司会の仕事は参加者の前に立ち挨拶などの進行を務めることです。実際にはマイクを持って話すことがメインとなり、懇親会の時間が2時間であれば開始から2時間後には司会の仕事は完了します。
以下は懇親会で司会がやるべき作業の一覧です。懇親会の当日に慌てないよう、幹事しか知らないことがあれば質問しておきましょう(小規模で気軽な懇親会であればそこまで準備する必要はありません)。
<懇親会の7日前まで>
- 幹事または自分で作成した懇親会のプログラムをよく読んでおく。
- 挨拶してもらう方が前方に出やすい席順になっているか動線を確認する。
<懇親会の3日前まで>
- 読めない名前や役職名が不明なら幹事や参加者と相談して解決する。
- ゲームや余興をするなら担当者とルールを把握しておく。
<懇親会当日>
- マイクの音量、BGMの音量、スクリーンの位置、ゲームなどの備品の位置を確認する。
- プログラムに関わる人がどこに座っているかチェックする。
- プログラムに何か変更はないか幹事に確認する。
企業の役員や取引先が来る懇親会なら、司会として席次についても知っておきましょう。席次とは座席順のことです。部屋の出入り口から遠い席に上役が座り、入り口から近いところへ幹事や年若い方が座ります。
◇幹事の仕事
幹事は懇親会の企画と参加者の募集、お金の支払い、店との連絡を主にする役割です。ゲームや余興についても仕切る役割を持っています。司会が幹事と連携を取るべき部分は参加者とプログラムについてです。司会は幹事ほど責任が重い役割ではありませんが、以下のポイントについては事前に幹事さんに確認しましょう。
【司会が幹事に確認すべき6つのポイント】
- 参加者は全部で何名なのか
- 特に気を付けるべき参加者はいるのか
- 特別にアナウンスした方がよいことはあるか
- プログラム内容についての不明点の確認
- 幹事と司会は食事をどのようにして取るか
- 写真撮影をする時の場所はどこか
◇司会でもユーモアをもって懇親会を100%楽しもう
司会だからといって真面目に考えすぎ、懇親会を楽しめないのはもったいないです。ずっと司会台にいる必要はないので、アナウンスがない間は席に座って食事と会話を楽しめばいいのです。
会場全体を見渡せてラッキー♪と思って軽い気持ちでのぞめば、「当日、挨拶をする予定の方が欠席する」といったトラブル時も臨機応変に対応できます。トラブルのある時ほどユーモアで楽しく乗り切りましょう♪
- 挨拶をする予定の方が欠席
⇒「本日○○様へご挨拶を頂戴する予定でしたが、あいにく欠席です。代わりに是非あいさつをしたい!と勇気を手を挙げてくださった方がいるのでご紹介しましょう。○○部の○○様です!(パチパチパチ)」
- マイクの音量が安定しない
⇒幹事さんに他のマイクがないか確認してもらい、「マイクにトラブルがあった模様です。ではプログラムを前後しまして、写真撮影を先に行いたいと思います。女性のみなさん、メイクのノリが良い今が写真の撮りどきですよ~。では、会場奥に部署ごとに集まり三列ぐらいでお並びください。
◆懇親会の司会に適した人物とは
◇服装
懇親会の規模や内容にもよりますが、社会人の懇親会では男性はスーツ、女性はスーツまたはワンピースが良いでしょう。色は黒・紺色・グレーに加え、茶・カーキ色・ベージュなどもOKです。
司会はどちらかというと清潔感が大切なので、アクセサリーも数点に抑え、髪の毛が長いのであれば束ねるなどしてスッキリさせましょう。
しかし、懇親会の種類が部活やサークル、ママ友同士のものであればいつもの恰好か、少しだけオシャレにするだけで十分です。
◇不慣れなことを逆手にとれる
規模が小さい懇親会でもとにかく前に出て話すのが苦手!という方はいらっしゃると思います。そんな方にお勧めなのがこの魔法のフレーズです。
【司会が苦手な人のための魔法のフレーズ】
本日司会の大役(たいやく)を仰せ使いました○○部の佐藤と申します。このような場で司会をするのは初めてですので非常に緊張しています。みなさま、お手柔らかにお願い致します。(と、笑顔で話す)
このフレーズは司会だけでなくあらゆる場面で有効です。心理的なハードルを下げる効果があるので、「司会でトチっても許してね」というおおらかな気持ちになれ緊張が和らぎます。
◇言葉選びのセンスがある
名司会の徳光和夫フリーアナウンサー、マツコ・デラックスさん、明石家さんまさん、安住アナなどは基本的に頭の回転が速いです。どのようなシチュエーションになっても、巧みな話術でそれを笑いに変えることができます。
懇親会ではそこまでの司会ぶりを目指さなくてもよいのですが、彼ら名司会のように堂々としていて言葉選びのセンスがある人は司会に向いている方と言えるでしょう。
◆会社の懇親会では挨拶の順番に気を付けよう
懇親会のプログラムの中では乾杯やはじめの挨拶をするのが通常ですが、挨拶は誰に頼んでもいいというものではありません。挨拶には順番がありますので、念のためあわせて覚えておきましょう。
- はじめの挨拶・・・会社または組織で最も地位の高い人物が行います
例)代表取締役・部長・課長・部活動の顧問
- 乾杯の挨拶・・・はじめの挨拶を行った人物がそのままするのが通例です。他の方にお願いするなら3番目ぐらいの地位の方にお願いします。
例)チームリーダー・SV(スーパーバイザー)・部活の先輩
・最後の挨拶・・・2番目に地位の高い人物が行います。
例)専務・係長・部活のOB
◆懇親会のプログラム(流れ)
では、一般的な懇親会のプログラムをご紹介しましょう。懇親会の構成は基本的に①はじめの挨拶②食事と歓談時間②閉会のあいさつとシンプルです。
※便宜上、時間は夜間で設定しています。
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懇親会の所要時間は平均2時間です。この中で会食・歓談の時間が約50%の1時間とみておきましょう。ゲームや余興をするのなら、会食がスタートして20~30分経過してから行います。
◆懇親会の台本と司会のセリフ一覧
懇親会のプログラムを踏まえた上で、司会のセリフを考えてみました。是非ご参照ください。
①前半
(開始5分前)
え~、あと5分ほどで懇親会を始めさせていただきます。まだお手洗いに行かれていない方は○○にございますのでご利用ください。
・開会の挨拶
では、時間となりましたので○○の懇親会を始めさせていただきたいと思います。お席にどうぞお座りください。
(ざわざわしている会場が静かになり、皆が着席をする)
・司会の自己紹介
本日、司会を務めさせていただきます私(わたくし)○○の鈴木と申します。司会は初めてでいささか緊張しておりますが、精一杯努めますのでどうぞよろしくお願い致します。
・乾杯の音頭
「では、懇親会を開始するにあたり皆様で乾杯をしたいと思います。乾杯の音頭は○○の☐☐様、よろしくお願い致します。」
②中盤
・食事&歓談
では、食事の用意が整ったと思いますので、これより○時○分までは食事と歓談の時間にいたします。途中、○時からは新入社員の自己紹介として順番にマイクを回しますので、新入社員の方はその場に立って自己紹介をお願い致します。
・中締め
では、このあと別の会議がある方もいらっしゃいます。会場の時間も迫ってまいりましたので、こちらで中締めとしてお手を拝借したいと思います。
お集まりいただいた皆様のご健康とご多幸を祈念して、3本締め(1本締め・1丁締め)で締めさせていただきます。
お手を拝借、よーお!
(手拍子)
ありがとうございました!
まだテーブルにお料理、お酒などがございますので最後までごゆるりとご歓談ください。
懇親会での手締めについては、当サイトの以下の記事でも詳しく解説しています。
・役員・新入社員などの挨拶
お食事中の方もいらっしゃるかもしれませんが失礼します。今年入社された○名の新入社員に自己紹介をしてもらいたいと思います。では、○○さんから順番にマイクを渡していくのでお願い致します。
・余興
皆様、お食事は楽しまれていらっしゃいますでしょうか。本日の懇親会では有志の○○部のメンバーがビンゴゲームを企画しました。豪華賞品もありますのでぜひご参加ください。それでは、○○さんよろしくお願い致します。
③後半
・閉会の挨拶
残念ではございますが、そろそろお時間となりました。宴もたけなわですがお開きにしたいと思います。本日は皆さま○○の懇親会にお集りいただきまして、誠にありがとうございました。
(ぱちぱちぱち)
・手締め
では、最後に○○部長による一本締めでこの会を締めさせていただきたいと思います。○○部長、掛け声の方をよろしくお願い致します。
・二次会の案内と忘れ物チェック
(二次会がある場合)
なお、このあとは別会場○○で二次会のご用意も致しております。強制ではありませんので、参加されたい方は幹事の○○さんの方へお集りください。
・帰りの誘導
お忘れ物がないか、今一度座席を確認してからお帰りください。本日は誠にありがとうございました。
◆まとめ
懇親会の司会の役割は、どのような規模の懇親会なのか、企業の役員が出席するものなのか、などの条件で必要な準備も変わってきます。15名以下程度の少人数の懇親会であれば、それほど緊張しなくても大丈夫ですので、しっかり事前準備をし、リラックスしてのぞみましょう。
ただし、参加人数の多い懇親会、1年に一度支社で集まる懇親会などであれば幹事の人と参加者・プログラムについて事前に打ち合わせをしておくと良いでしょう。