内定式の目的とは?流れや挨拶・自己紹介のポイントと例文を紹介
2022/6/23
2023/08/28
内定式は、新入社員が内定を受けた後に行われる行事で、内定先の社長や役員、先輩社員などが参加する大事な式典です。多くの内定式では、内定者が挨拶や自己紹介をするシーンがあります。
今回の記事では、内定式の目的や流れと、挨拶や自己紹介のポイントについて解説しています。挨拶や自己紹介の例文も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
Contents
内定式の目的は学生に対して正式に内定を伝えること
内定式は、企業が学生に対して正式に内定を伝える式典です。経団連(日本経済団体連合会)の要請で、正式な内定日は卒業・修了年度の10月1日以降と指定されています。内定式の多くは10月1日に行われます。同じ日に行われることが多いため、複数の企業の内定式への参加は難しいでしょう。
一方、入社式は学生が卒業した後の春に行わる、新入社員を迎え入れる式典です。
内定式 |
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入社式 |
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内定式の目的には、正式に内定を出す以外に以下のようなものがあります。
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内定者の入社意思の確認・内定辞退防止
企業側から内定通知書を交付し、内定者から入社承諾書を提出してもらうことで、学生の入社意思を確認します。しかし、入社承諾書に法的な拘束力はありません。学生は入社承諾書を提出した後であっても、内定辞退が可能です。
内定式の後に就職活動を継続する学生も多く、入社までの間に他の企業に就職したいと思う可能性はゼロではないでしょう。内定辞退があり欠員が発生すると、企業側は再度採用をする必要があります。
できるだけ内定辞退を防ぐために、内定式で入社意識を向上させることが大切です。他の内定者との交流や、企業からのメッセージなどで内定者の気持ちをつかむようなプログラムが組まれています。
また、学生側が内定式後に辞退したい場合は、できるだけ早めに連絡して手続きをしましょう。
内定者同士・社員との親睦を深める
内定者同士での親睦を深めるプログラムを用意し、入社前に人間関係を構築することで内定辞退の防止につながります。また、企業側の社員との交流をする時間を設け、入社までに準備しておくべきことやアドバイスなどを伝えると、入社後への不安がやわらぎます。
内定者との交流を通して企業としてのメッセージを伝えるだけでなく、それぞれの性格や特性を見ることで、入社後の配属の参考にするケースもあるでしょう。
社会人としての意識向上
内定後、就職活動が終わった安心感から気が緩み、入社のための準備を怠ってしまう学生がいます。内定式では、入社までに必要な準備や手続きの期限についての説明があります。内定式から入社までの期間で、社会人としての意識を向上してもらうために、課題の提出やセミナーへの参加が必要な企業もあるでしょう。スケジュールや事務手続きの説明は、メモを取りながら聞くと安心です。
企業に対する理解を深める
内定式では、どのような企業であるか内定者に改めて理解してもらう目的があります。企業への理解を深めてもらうことで、内定辞退防止につながるでしょう。
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企業側は、それぞれの項目を分かりやすく簡潔に伝えましょう。
内定式の流れ
内定式は一般的に1~2時間で開催されます。内定式後に食事会や懇親会を行い、内定者同士や企業の社員との交流の場を持つ場合があります。
新入社員の人数や企業によっては、1日がかりで内定式を行う場合があるため、事前に流れを確認しておくようにしましょう。内定式の一般的な流れや内容は以下の通りです。
プログラム |
内容 |
① 企業代表・役員挨拶 |
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② 内定証書授与 |
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③ 内定者の挨拶・自己紹介 |
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④ 入社までのスケジュール確認 |
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⑤ 懇親会・食事会 |
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内定式で知っておきたいマナー
内定式はビジネスの場です。マナーを守った髪型や服装を心がけましょう。
髪型 |
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服装 |
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髪型や服装のマナーに関する詳しい解説は、以下の記事で詳しく紹介しています。
内定式での挨拶・自己紹介の注意点
内定式では、内定者の挨拶・自己紹介の時間が設けられています。内定者の中から代表者が挨拶をするのではなく、一人一人が自己紹介をするケースがあります。内定式での挨拶や自己紹介は、自分の第一印象が決まる大切なシーンです。事前に話す内容を決めて、準備をしておきましょう。
また、挨拶や自己紹介を行う目的として、自分自身のことを知ってもらうことはもちろん、人前で仕事への想いを話すことで「社会人としての自覚を持つ」というものがあります。
内定式での挨拶や自己紹介での注意点をチェックしておきましょう。
話す時間
挨拶や自己紹介をする時間の目安は、1分程度にしましょう。
とくに新入社員が多い場合は、1人1人の時間が長いことで、聞いている側も飽きてしまい、重要なことが分からない、結局誰が誰なのか分からない、という状況になるおそれがあります。
反対に、時間が短すぎることも避けましょう。
伝えたい情報が少なすぎてしまうと、どんな人物でどんなことに興味があるのかなどが分からず、先輩社員や同期社員との仲を深めることも難しくなってしまいます。
1分程度の中で、印象に残る挨拶や自己紹介を考えておきましょう。
話す内容
挨拶や自己紹介で話す内容は、氏名や出身大学などの基本的な自己紹介に加えて、学生時代やプライベート面である部活やサークル、趣味などを盛り込み、自分がどのような人物でどんなことをやってきたのか、ということが分かる内容を話しましょう。
内定式に関わらず、相手と同じ「部活」「サークル」「趣味」などの共通点があれば、話すきっかけに繋がり、仲を深めやすくなります。そして、社長や役員が出席する大事な式であるため、「志望動機」「入社後の抱負」「意気込み」を忘れずに盛り込みましょう。
自己紹介や挨拶では、トークテーマによって相手が受ける印象が変わります。次の表を参考にして、自分に合うトークテーマを選び盛り込みましょう。
相手が受ける印象 |
項目 |
自己紹介の基本 |
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共通点を見つけやすい 話すきっかけになる |
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人間性が見える |
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企業の社員の気持ちをひきやすい |
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面白さや個性が伝わる |
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入社への熱意を感じる |
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話し方
挨拶や自己紹介をする際は、原則としてマイクの前に立って行います。マイクに近付きすぎると、声がこもって聞き取りにくくなる可能性があります。マイクと口の距離は、拳一つ分を目安に間隔を空けて話しましょう。
そして、話す内容の1文が長くならないように気をつけましょう。1文が長く、続けて読んでしまうと、聞いている側は理解するまでに時間がかかります。できるだけ簡潔に、1文ずつ一呼吸入れながら話しましょう。
内定式で挨拶や自己紹介をする前に、自分の話し方を客観的に見て、声の大きさや姿勢などを確認しておくと良いです。スマホで撮影しながら練習し、録画した映像をチェックしてみましょう。
内定式での挨拶・自己紹介の例文3つ
内定式での挨拶や自己紹介は、第一印象を決める大切なシーンです。好印象を残すためのポイントを取り入れて、準備をしておきましょう。 どのような挨拶が良いか、いくつか例文を紹介するので、ぜひ参考にしてください。 また、挨拶の内容が決まったら、時間を計りながら実際に読んでみると良いです。
親しみのある挨拶
聞き手から親しみをもってもらいやすい挨拶をしたい場合、これまで頑張ってきたことや協調性があることをアピールできる内容がおすすめです。
初めまして。〇〇大学〇〇学部、〇〇 〇〇と申します。 本日は素晴らしい式を開催していただき、嬉しく思います。 私は〇年間、体操を続けてきました。その中で、チームの皆と協力し、上を目指すこと、1人で頑張るのではなく、周りの意見を聞いて行動することの大切さを学びました。スポーツが好きなので、今でも時間があったら身体を動かすようにしています。 〇年間の体操生活で学んだ、協力して1つの目標に取り組むことを忘れずに、入社後は色々な方と関わり、自分の知らない世界を知り、1日でも早く、会社、先輩方の戦力になれるよう、頑張ります。 これからどうぞよろしくお願いいたします。 |
人柄が伝わる挨拶
自分の人柄を聞き手に伝えたい場合、趣味やと特技を取り入れた挨拶がおすすめです。
初めまして。本日は素晴らしい式を開催していただき、心より嬉しく思います。 〇〇大学〇〇学部、〇〇 〇〇と申します。 私の趣味は、国内、国外問わず、行ったことのない場所へ行き、地域の人々と接し、風景や特徴を写真に納めることです。地域の人々とコミュニケーションをとり、仲良くなることは、私の特技でもあります。 〇〇に行った時に目にした、建物が印象的で、感動したことを今でも覚えています。言葉がなくても、目にしたものを見て、誰かに感動を与えられる人材になれるよう、頑張りたいと思います。 そして、皆さんと一緒に働けることに感謝し、楽しみにしています。 どうぞよろしくお願いいたします。 |
個性がある挨拶
あだ名や出身地などの話を盛り込むことで、個性がある挨拶ができるでしょう。
初めまして。〇〇大学〇〇学部、〇〇 〇〇と申します。 本日は内定式を開催していただき、心より感謝申し上げます。 私の名前は文字数が多く、呼びづらいため、長年あだ名で呼ばれてきました。 〇〇に似ているという理由から、付いたあだ名は〇〇です。皆様にも気軽にあだ名で呼んでもらえるよう、入社後は精一杯頑張ります。 そして、御社が創っている〇〇に興味を持ち、いつか自分も興味を持ってもらえる業務に携われるよう、気持ちを強く持ち、頑張りたいと思っています。 未熟ではありますが、先輩方、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。 |
まとめ
今回は、内定式の流れや挨拶、自己紹介のポイントなどについて解説しました。内定式は、社会人になる自覚を持つための大事な式典であり、新入社員のことを考えて会社が開催しているという目的も把握しておくことが大切です。
内定式では、内定者からの挨拶や自己紹介をするタイミングがあります。今回紹介したポイントを押さえて、事前に話す内容を決めておきましょう。また、内定式で説明される提出物の期限や課題など、聞き逃しがないようにメモを取っておくことが大切です。内定式で企業理念や業務について知り社会人になる意識を持って、入社までの時間を有意義に過ごしましょう。