コロナで内定式と入社式はどうする?開催・中止の判断と欠席対応
2020/12/7
2021/10/20
2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で、これまで常識とされてきたことが覆された一年でした。新入社員を迎える入社式では、社長挨拶をライブ配信で行う企業が目立ちました。
専門家にはコロナの完全な収束には3年以上かかるという見方をする人もいます。今年だけでなくこれから先の数年間、新入社員のための入社と内定式をどうすればいいのか。私たちは考えていかなくてはいけません。
わたしども、エスクリでは長年パーティー会場のプロとして、企業様の入社式・内定式をサポートしてきました。
今回の記事をお読みいただければ、コロナ禍で企業が入社式・内定式をどうすればいいのか、様々なヒントを得ることができるでしょう。
Contents
コロナで入社式を中止にした企業・開催した企業
今年、日本の企業は入社式をどのような形で実施したのでしょうか。参考までに、企業の実施形態をいくつかみてみましょう。
(参考)2020年の企業の入社式(研修)実施状況
企業名 | 開催の有無 | 実施形態 |
株式会社NTTデータ | 有 | ①リアル入社式
②Webでの発信
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伊藤忠商事株式会社 | 有 | ①リアル入社式
②Webでの発信
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みずほフィナンシャルグループ | 有 | Web入社式
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丸紅株式会社 | 無 | メッセージの動画配信
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トヨタ自動車株式会社 | 無 | ①Webでの発信
②グループ研修の実施
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ソニーグループ | 無 | ・子会社のみリモート入社式
グループ合同入社式は中止。子会社は本社とセンターに分かれて出社し、本社からリモートでの辞令交付を実施。 |
※順不同、研修については、公式ページに記載しているものを抜粋
こうしてみると、全体的にオンラインでライブ配信した企業が多い印象を受けます。入社式は4月1日に行う企業が多いですが、日本でコロナが本格的に認知されたのは2月頃です。これらの企業は早い段階でリスクマネジメントができていると言えます。
入社式で大切なのは「挨拶」と「辞令交付」
入社式とは、新入社員が正式に企業に入社し配属されるための儀式です。
入社の初日はとても重要です。「これから頑張るぞ」とやる気にみなぎっている新入社員のために、社長は訓示・挨拶でこれから会社の核となるべき社員を激励します。
辞令交付を持って、新入社員は正式に部署や所属が決定します。企業に正式に所属した、と実感する瞬間です。
新入社員にとって入社式は心に残る大切な儀式です。企業にとっては毎年行う定例行事だとしても、彼らにとっては一生に一度の晴れ舞台です。できれば、入社式にふさわしい華やかな会場を選びたいところです。
中止の判断の目安は?地域や年齢でも異なる
入社式を中止すべきボーダーラインはどこに設定すればよいのでしょうか。新型コロナの難しいところとして、まず年齢で感染率が大幅に異なる点があります。
また、発生率の高い地域、そうでない地域の格差もあります。人々が密集する東京で行う入社式とそうでない地域の入社式では感染率も変わります。
<入社式の中止の判断の目安(例)>
条件 | 判断 |
年齢層の高い役員や社員が多い | 中止 |
感染者数の多い大都市である | 中止または延期 |
広くて換気の良い会場を用意できない | 中止 |
企業規模が大きく、新入社員数が500~1,000名と多い | 中止 |
連日、新型コロナ感染症の感染者数が最高にアップデートされている | 中止または延期 |
入社式を中止にするか、延期にするか。その判断はどれぐらいの新入社員を予定しているのか、分散化できる会場を保有しているのか、どの地域で行うのかなどにより、幅広い視野で決定しましょう。
そうすることで、後悔のない選択ができます。
内定式はどうすればいい?
一方、内定式の実施についてもコロナ禍では迷うことでしょう。
内定式では企業が早い段階で内定を出した新卒者に方針を伝え、状況を確認できます。またそれだけでなく、内定者同士の交流の場としても有効です。
通常、内定式は例年10月1日頃行われます。2020年10月の内定式は中止した企業、対面で行った企業、オンラインで行った企業とさまざまでした。
(参考)2020年の企業の内定式実施状況
企業名 | 開催の有無 | 実施形態 |
トヨタ自動車株式会社 | 無 | – |
株式会社日立製作所 | 無 | – |
富士通株式会社 | 無 | – |
パナソニック株式会社 | 無 | – |
日本製鉄株式会社 | 有 | オンライン内定式 |
損保ジャパン株式会社 | 無 | オンライン内定式 |
三菱商事株式会社 | 無 | オンライン内定式 |
※順不同
入社式と比べると内定式は中止にした企業が多い印象です。しかし、入社式が新入社員のための儀式とすれば、内定式は企業が新入社員の内定辞退を避けるために行う儀式という側面も併せ持ちます。
せっかく採用した新入社員から内定辞退を受けないよう、内定式についても学生が「この企業で働きたい」と思わせる演出をするなど、慎重に検討する必要があります。
コロナ禍での入社式・内定式の注意点と欠席対応
コロナ禍で入社式・内定式を行うのであれば、以下のような対策が望まれます。
<対面の場合>
- 会場での手指消毒・アクリル板の設置・マスクの着用・備品の除菌を徹底する
- 新入社員を30~50名以下のグループに分けて別時間・別拠点で行う
- ソーシャルディスタンスを心掛ける
- 着席時はひと席ずつ空けて密を避ける
- できるだけ換気の良い会場を選ぶ
<オンラインの場合>
- セキュリティ対策のため社内イントラなどのネットワークを構築
- 社長挨拶の途中で映像や音声が途切れないような対処
- 入社式の雰囲気に似つかわしいよう背景への配慮
- 司会や段取りがスムーズにいくような手配
コロナ以降、ホテルや飲食店は厳重な感染症対策を実施しているところもあります。また、オンライン入社式・内定式をサポートする企業もあるので、利用してみるのもひとつの方法です。
また、コロナ禍での入社式・内定式では欠席についても要注意です。体調が悪いのに「会社に悪い印象をもたれる」と無理をして出席する新入社員が出る可能性があります。
こちらの記事では当社エスクリがパーティー会場のプロとして実施している準備について解説しています。
パーティー会場のプロが実践「招待者が安心する準備リスト」
私どもでは、入社式・内定式をはじめとする多数の企業イベントの実施経験がございます。ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
企業の重要なイベントである入社式・内定式はオンラインで行う企業が増えています。
一方で、オンラインで行うためのネットワークやノウハウを持たない企業もあり、やむなく中止にする企業もあります。
コロナ対策はまだまだ続きます。新入社員や学生とコミュニケーションする大切な場を中止するか、感染症対策を施した会場で行うか、延期にするか。時期によった最適な判断をしていきたいものです。