懇親会の案内文の書き方と例文集(社内・社外・保護者会向け)
2025/7/17
懇親会の案内文を任されたとき、「どのような内容を書けばいいのか」「失礼のない表現とは?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
案内文は、イベントの雰囲気や主催者の印象を決める大切な要素です。また、案内を受け取る相手の立場によって、文面のトーンや記載内容も変える必要があります。本記事では、社内向け・社外向け・PTAや保護者会向けの3つのシーン別に、案内文作成のポイントと例文をご紹介します。
加えて、共通して押さえておきたい基本項目や、送付後のフォローアップまでを丁寧に解説しますので、ぜひ案内作成の参考にしてください。
Contents
懇親会の案内文の内容と注意点
懇親会を開催する際、参加者に向けた案内文は、イベントの第一印象を決定づける重要な要素です。伝えるべき情報が正確かつ丁寧にまとめられていれば、参加者の安心感や信頼感にもつながります。
この章では、どのようなシーンでも共通して盛り込んでおきたい項目と、案内文を送付する際に気をつけたいマナーについてご紹介します。
懇親会の案内文に必ずれておく項目
懇親会の案内文には、必ず入れておいた方がよい項目があります。
情報不足により参加者が迷ったり不安を感じたりすることを防ぐために、どのようなシーンであっても以下の項目は入れておくようにしましょう。
□ 日時 | 開始時刻だけでなく終了時刻も記載しましょう。 |
□ 場所 | 会場名に加え、住所やアクセス方法、地図リンクなどを添えるとスムーズです。 |
□ 集合時間/集合場所 | 必要に応じて、受付時間や受付場所も明記します。 |
□ 会費や費用負担 | 金額と合わせて支払い方法(当日現金/事前振込など)を記載します。 |
□ 返信方法と締切 | 出欠の連絡方法(メール/フォーム/チャットなど)と返信期限を記載しましょう。 |
□ 懇親会の目的・開催の背景 | 形式的な文言だけでなく、開催の意図を伝えることで、参加の動機にもなります。 |
□ 服装や持ち物などの注意点 | ドレスコードや必要な持ち物がある場合は忘れずに明記します。 |
案内文を作成する際は、これらの項目をチェックリストのように確認しながら、読み手の立場でわかりやすくまとめましょう。
懇親会の案内状を送付する際の注意点
案内文の内容が整っていても、「どのように送るか」や「どのような言葉遣いにするか」によって、受け手の印象は大きく変わります。
以下のポイントに気を付けながら、丁寧で伝わりやすい案内を心がけましょう。
宛先・送付方法の選定
社内の場合は、メール・社内チャット・紙の掲示など、組織文化に合わせた手段を選びましょう。社外や保護者向けの場合は、基本的にはメールまたは紙面での配布が丁寧な印象を与えます。
件名やタイトルに配慮する
件名は「【ご案内】〇月〇日懇親会のお知らせ」など、ひと目で内容がわかる形がベストです。とくに、メールで案内を送付する場合は、メールを開かなくても概要が伝わるように、日付や目的を簡潔に件名に入れるようにしましょう。
文面のトーンを相手に合わせる
社内向けの場合は、過度に堅くなりすぎず、わかりやすく簡潔な表現を心がけましょう。一方で、社外や保護者向けの場合は、敬語表現を丁寧に用い、「ご多用のところ恐れ入りますが」など配慮のある文言を取り入れるようにしましょう。
返信依頼は明確に記載する
出欠の返答を求める場合は「◯月◯日までにご返信ください」と具体的に記載します。また、回答方法(返信メール・参加フォーム・LINEなど)を明確に示すことが重要です。
誤字脱字・敬語ミスのチェックを忘れずに
内容に問題がなくても、細かな言葉遣いや表記ミスは信頼感を損なう要因になります。上司やチームメンバーによるダブルチェックを行うと安心です。
懇親会のシーン別の例文と注意点
懇親会の案内文は、誰に向けて送るかによって、文面のトーンや記載すべき内容が大きく変わります。
社内向けであればカジュアルに、社外や保護者向けであればより丁寧な表現が求められるなど、それぞれのシーンにふさわしい配慮が必要です。ここでは、代表的な3つのシーン(社内・社外・保護者会)にわけて、案内文の注意点と具体的な例文をご紹介します。
ご自身の状況に近い項目をご確認いただき、案内作成の参考にしてください。
社内懇親会の案内文
社内で開催される懇親会は、部署内の交流を深めたり、歓迎や送別の場としたりするなど、目的も形式もさまざまです。
案内文では、参加対象が把握しやすく、開催の趣旨が伝わるように心がけることが大切です。とくに、新しく加わったメンバーがいる場合や他部署との合同開催などでは、「なぜこの会が開かれるのか」という背景を明記すると、参加への心理的ハードルを下げることができます。
日常業務の合間に案内を受け取ることが多いため、簡潔かつわかりやすい文面を意識しましょう。
社内懇親会の案内文における注意点
社内懇親会では、参加者の多くが顔見知りであることから、案内文も形式的になりすぎず、親しみやすいトーンでまとめることがポイントです。
とはいえ、部署間の距離感や、役職者も含まれる場合は、一定のフォーマルさを保つ必要があります。また、新入社員や異動者など初参加の人もいることを想定し、開催の目的や会の雰囲気が伝わるように意識すると良いでしょう。
参加者の業務スケジュールにも配慮し、返信締切や所要時間の目安など、実務に役立つ情報も添えておくと、より丁寧な印象になります。
社内懇親会の案内文の例
最近では、社内のコミュニケーションにChatworkやSlackなどのチャットツールを活用している企業も増えています。社内懇親会の例文として、メールで案内する場合とチャットツールで送る場合の2通りを紹介します。
【メールで案内する場合の例文】
(件名)【ご案内】7月25日 懇親会開催のお知らせ(〇〇部) 各位 お疲れさまです。〇〇部の〇〇です。 日頃の感謝を込めて、下記のとおり部内懇親会を開催いたします。 ■日時:7月25日(木)18:30~20:30 ■場所:〇〇レストラン(本社ビル地下1階) ■会費:3,000円(当日、受付にてお支払いください) ■対象:〇〇部メンバー全員 ■服装:自由(平服でお越しください) ■出欠:7月18日(木)までにこのメールに返信する形でお知らせください。 みなさまと交流できる機会を楽しみにしております。 〇〇部 〇〇 |
【チャットで送る場合の例文】
みなさんお疲れさまです!〇〇です。 7月25日(木)に、〇〇部の懇親会を予定しています。 ■日時:7月25日(木)18:30~20:30 ■場所:〇〇レストラン(本社ビルB1) ■会費:3,000円(当日現金) ■服装:自由 業務の合間とは思いますが、ぜひご参加ください〜! |
社外・取引先との懇親会の案内文
社外や取引先に向けた懇親会の案内文では、社内向けとは異なり、ビジネスマナーに基づいた丁寧な言葉遣いと配慮が求められます。特に、日頃からお世話になっている相手に対して案内を送る場合、形式的になりすぎず、感謝や敬意の気持ちが伝わるような文面が理想的です。
また、会の目的や開催意図を明記することで、相手にとっても「参加する意義」が明確になり、スムーズな返答につながります。
社外・取引先への案内文における注意点
社外向けの案内文では、ビジネスマナーに即した丁寧な言葉遣いと、相手への敬意が伝わる構成が欠かせません。懇親会への参加は業務とは異なる位置づけになるため、「なぜ招かれたのか」が明確でないと、参加に戸惑う可能性もあります。また、相手の時間をいただくという前提に立ち、返信しやすい工夫や配慮も求められます。
たとえば、案内文の冒頭で日頃の感謝を述べたり、会の目的を具体的に説明することで、相手にも意図が伝わりやすくなります。「ご多用中とは存じますが」「平服でお越しください」などの文言も、参加しやすい印象につながります。
ビジネス上の案内として、形式+配慮+明瞭な情報提示を意識しながら、丁寧で簡潔な文章を心がけましょう。
社外・取引先への案内文の例
件名)【ご案内】懇親会開催のご案内(〇〇株式会社) 〇〇株式会社 いつも大変お世話になっております。 このたび、日頃の感謝の気持ちを込めて、ささやかではございますが、懇親会を開催させていただくこととなりました。 ■日時:8月8日(木)18:30~20:30 ■場所:〇〇レストラン(東京都〇〇区〇〇) ■会費:無料(弊社にてご用意いたします) ■服装:平服にてお越しください ■出欠:8月1日(木)までに本メールへご返信ください ご多忙中とは存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。 株式会社△△ |
PTA・保護者会の案内文例と注意点
保護者会やPTA主催の懇親会は、子どもを通じたつながりの中で、保護者同士の交流や情報共有を目的として行われることが多いものです。案内文を作成する際は、参加が義務ではないことを踏まえたやわらかい表現や配慮ある言い回しが求められます。
あまり堅苦しくなりすぎず、かといって砕けすぎず、「気軽にご参加いただける場」であることを自然に伝えるバランス感覚が大切です。
PTA・保護者会の案内文における注意点
保護者向けの案内文では、参加を強制する印象を避けつつ、安心して参加できる雰囲気づくりが重要です。
保護者同士の関係性は立場や価値観もさまざまなため、堅すぎる表現は距離感を生みやすく、逆にカジュアルすぎると不安を感じる人もいます。特に初めて参加する方が気後れしないよう、配慮のある文面が求められます。
たとえば、「お時間の許す範囲で」や「ご無理のない範囲でご検討ください」といった一文を添えることで、参加のハードルが下がります。また、子ども同伴OKかどうか、持ち物、会の趣旨など、不安要素を減らす情報提供も効果的です。
家庭やスケジュールを優先したい方にも配慮した、丁寧で気持ちに寄り添う案内文を意識しましょう。
なお、最近では保護者間のやりとりにLINEグループなどのチャットツールが使われることもありますが、懇親会の案内に関しては、できるだけ紙やメールといった丁寧な手段で正式に伝えることが望ましいでしょう。LINEは補足的な連絡やリマインドとして活用し、出欠確認や詳細共有は個別対応を基本とすることで、参加への心理的な負担を軽減できます。
PTA・保護者会の案内例文
(件名)【ご案内】保護者懇親会開催のお知らせ 保護者各位 いつもお世話になっております。〇〇小学校PTAよりご連絡です。 このたび、保護者同士の親睦を深める機会として、下記のとおり懇親会を開催いたします。 ■日時:9月13日(金)19:00~21:00 ■場所:レストラン〇〇(〇〇市〇〇町1-2-3) ■会費:3,000円(当日集金いたします) ■参加可否:9月6日(金)までに、配布済みの申込用紙またはメールにてご返信ください ■備考:ご家庭の事情により参加が難しい場合も、どうぞお気になさらずご返信ください 皆さまのご参加を心よりお待ちしております。 |
もし、LINEを使う場合は以下のようなリマインド形式で活用しましょう。
🌸懇親会のお知らせ🌸 9/13(金)19:00〜21:00で保護者懇親会を予定しています! 詳細は本日配布したご案内をご確認ください😊 ご都合つきましたら、ぜひご参加ください♪ |
案内文を送ったあとのフォローアップ
懇親会の案内文を送ったあとも、主催者としてやるべき対応は続きます。
出欠の返信が集まらない場合のリマインド、参加者へのリスト共有、直前の確認連絡など、丁寧なフォローが当日のスムーズな運営につながります。
ここでは、案内文送付後に行っておくと安心なフォローアップのポイントをまとめました。
返信がない場合のリマインド
案内文に返信期限を記載していても、期限内に返答がないケースは少なくありません。まずは期限の前日や当日に、軽めのトーンでリマインドを送りましょう。
例)「明日がご返信の締切となっております。ご都合がつくようでしたら、ぜひご参加いただければ幸いです!」 |
特に社内や保護者会など、返信が気まずいと感じる人もいる場面では、
「ご返信まだの方いらっしゃいましたら、ご無理のない範囲でご連絡いただければと思います」など、圧をかけない文言を使うのがポイントです。
参加者リストの共有(必要な場合)
社内であれば、懇親会の出席者を一覧で共有することで、当日の席配置や会話のきっかけづくりに役立ちます。
ただし、個人情報の扱いや、公開に対する配慮は忘れずに行いましょう。
前日・当日のリマインド
懇親会の前日または当日に、最終確認の連絡を入れると、参加者の安心感につながります。
特に以下のような情報が含まれていると親切です。
- 日時・場所(再掲)
- 集合時間と受付場所(ある場合)
- 持ち物や注意事項(あれば)
例)「明日の懇親会、18:30スタートとなります。〇〇レストランの受付は18:15〜です。お気をつけてお越しください!」 |
キャンセルや変更への対応
やむを得ない事情で当日キャンセルとなるケースもあります。
案内時に「キャンセルの連絡先」や「何時までに連絡を」と記載しておくと、当日の混乱を避けられます。社外の場合は、お詫びやフォローの連絡も丁寧に行いましょう。
懇親会の案内文は「伝わりやすさ」と「配慮」がポイント
懇親会の案内文は、単なる連絡事項ではなく、会の目的や主催者の思いを伝える重要なコミュニケーション手段です。
- 社内・社外・保護者会など、それぞれのシーンに応じて、
- 伝えるべき項目
- 表現のトーン
- 配慮すべきポイント
が異なります。「誰が、どんな気持ちで読むか」を意識して文面を整えることで、参加者の安心感や参加意欲を高め、懇親会そのものの雰囲気もより良いものになります。
本記事でご紹介した内容や文例を参考に、相手に伝わる案内文を作成してみてください。