少人数の歓迎会を盛り上げる司会のコツ
2020/4/28
2022/05/31
歓迎会における司会の役割は盛り上げること。 そのためには主役である新人を皆の中に溶け込ませなければなりません。 歓迎会の主役はまだ慣れていないことが多く、溶け込ませるためには司会の力は重要です。 特に元が少人数のコミュニティの場合、結びつきが強い分なかなか入っていきにくい、ということも往々にしてあります。 ということで今回は、少人数の歓迎会における司会のコツについて解説します。
Contents
1.少人数の歓迎会を盛り上げる司会のコツ
(1)先輩に過去の歓迎会についてリサーチ
歓迎会は基本的に毎年同じように開かれています。 そのため、毎年の決まり事のようなものがあることが少なくありません。 例えば、乾杯の音頭をとるのが毎回同じ人に決まっていたり、毎回お決まりのコーナーがあったり、あるいは人の集まりが遅い時に先に始めてしまうか否か、なんてこともだいたい決まっていたりします。 そういった流れは司会者が把握していないと場がしらける原因になる可能性もあります。 少人数組織の場合は特にそういったお決まりの流れに関して厳しいことが多く、歓迎会成功のためにはまずそういった決まり事を把握しておくことが大切です。 幹事になったらまずは以前に幹事をやったことのある先輩や上司に質問して、歓迎会の決まり事があるかどうかをリサーチしておきましょう。
(2)新人の自己紹介はタイミングが重要!
歓迎会においては進行のタイミングも重要です。 特に歓迎会の主役である新人の挨拶のタイミングは非常に重要度が高いと言えます。 新人では緊張してしまう方も多いので、自己紹介前の歓談タイムの間はなかなか自分から声をかけにくくなってしまうことも。 そこで、自己紹介までの歓談タイムを少し短めに設定するのも手です。 新人の挨拶で本人が趣味や特技などアピールすることで、他の人とコミュニケーションを取りやすくすることができます。自己紹介中に自分との共通点や興味深い事項があれば、既存の社員側も声をかけやすくなるでしょう。 そのため、なかなか自分からコミュニケーションが取れない新人にとっては非常に助けになるイベントです。 ただ新人に自己紹介をしてもらうだけでなく、自己紹介の際に司会者が質問を振る、というのも有効です。 自己紹介に詰まってテンポが悪くなったり盛り上がらなかったり、といった問題点を解消できるので、タイミングを見て助け舟を出してあげましょう。
(3)台本を作っておく
これは少人数でない場合にも有効ですが、事前に司会用の台本を作っておくことで司会進行を円滑に進めやすくする効果が期待できます。 台本、というと堅苦しく考えがちですが、一字一句決めておいてそのまま話す、というのではなく、大まかな流れを決めておくスケジュール表に話す内容がある程度メモしてある、といった程度で構いません。 事前に台本を作っておけばタイムスケジュールで悩む必要がなくなり、他の人に見せることでスケジュールの相談もできるのでおすすめです。 基本的には過去の歓迎会について教えてくれた先輩に相談するのがいいでしょう。
(4)無理に盛り上げようとしない
司会の仕事は円滑に歓迎会を進めるためのもので、新人が自己紹介したり歓談したりするお手伝いはしても、自分が目立って盛り上げよう、というのはあまり良くありません。 司会自身が無理に盛り上げようとすると滑ったりしらけたりといった結果につながります。 特によくないのが、少人数での歓迎会の場合身内ネタに走ってしまいがちなこと。 当然新人はそんな身内の話は知らないので、主役を置いてけぼりにして脇で盛り上がる、というようなことになりかねません。 通常のパーティーなら多少滑ることも含めてありですが、歓迎会の場合、主役は歓迎される新人の方で、司会はあくまで脇役です。 あまりひどいと見ていて痛々しく、見ている側も不快になってしまうので、分をわきまえてしっかりと司会進行に徹しましょう。
2.歓迎会の司会の流れと台本例
基本的な歓迎会の流れは次のとおりです。 ①開会宣言 ②始めの挨拶 ③乾杯 ④食事・歓談 ⑤主役の挨拶 ⑥食事・歓談 ⑦締めの挨拶 ⑧閉会宣言
(1)開会宣言
開会の宣言をします。 参加者へのお礼と自己紹介、具体的になんの会なのか、ということを盛り込んでおきましょう。 最初の仕事なので、司会らしく簡潔でスマートに決めたいところですね。 〇例文
皆様、本日はお忙しい中、お集まりいただき、まことにありがとうございます。 本日、司会進行を務めさせていただきます、○○部の○○と申します。 これより、株式会社○○の新入社員歓迎会を執り行います。 どうぞよろしくお願いいたします。 |
(2)始めの挨拶
参加者の中で立場が一番上の人、会社全体の歓迎会であれば社長が、部や課の歓迎会であればその長に挨拶をしてもらいます。 ここでは「挨拶をお願いするためのパス渡し」と「挨拶終了時の納め役」が司会の役割になります。 始めの挨拶だけではありませんが、挨拶をしてもらう場合は事前に挨拶をお願いしておきましょう。 〇例文
まず、○○社長よりご挨拶を頂きます。 ○○社長、よろしくお願い致します。 ―社長挨拶― ○○社長、ありがとうございました。 |
(3)乾杯
始めの挨拶と同じく、上司に乾杯の音頭をとってもらいます。 始めの挨拶を一番、締めの挨拶を二番目に立場が上の人にしてもらうので、乾杯は三番目に立場が上の人に取ってもらいましょう。 少人数の歓迎会の場合、わざわざ別の人にお願いせずに挨拶と乾杯をひとまとめにしてしまう場合もあります。その場合は初めの挨拶をお願いする上司に乾杯もお願いしたい、ということを事前に話しておきましょう。 また、乾杯の挨拶をお願いする前に全員に飲み物がいきわたっていることを確認します。 当然、事前に挨拶をお願いしておくのは必須事項。 お願いする以上、気持ちよく乾杯の挨拶がしてもらえるように環境を整えましょう。 〇例文
ここで○○部長より、乾杯の音頭をとっていただきます。 皆様、グラスのご準備はよろしいでしょうか。 それでは○○部長、お願いします。 ―乾杯挨拶― ○○部長、ありがとうございました。 |
(4)食事・歓談 前半
乾杯が終わったら食事と歓談の時間に入ります。 ここで一旦司会の仕事は中断しますが、再開時に遅れないよう時間には注意しておきましょう。 この後に挨拶が待っている新入社員の方には心の準備をしてもらえるよう、先に挨拶があることを歓談に入るこの時に伝えておくのもいいでしょう。 〇例文
それではゆっくりとご歓談をお楽しみください。 後ほど、新入社員の方にご挨拶を頂きます。 〇時〇分からの予定となっておりますので、新入社員の方はよろしくお願い致します。 |
(5)新入社員の挨拶
新しく入社された方からの挨拶をします。 この時、全体に声をかける前に新入社員に声をかけ、先に会場の前方やステージ上に集まってもらっておくと移動に時間がかからずスムーズに続けることができます。 新入社員が揃ったら歓談中の全体に声をかけて目を向けてもらいます。 お酒が入って騒がしくなっていたり話に夢中になっている人も多くなっているので、はっきりと大きな声で視線を引きましょう。 先ほどのコツ部分でも説明しましたが、緊張して言葉に詰まってしまっているときは相槌を打ってあげたり「趣味は何かありますか?」などといった質問を入れてあげるとスムーズになりやすくなります。 〇例文
ご歓談中失礼いたします。 大変お待たせいたしました。それではこれより、新しく入社された方からのご挨拶を頂きます。 それでは○○さんからお願いします。 ―新入社員挨拶― ○○さん、ありがとうございました。 次は△△さんです。お願いします。 ―全員終了― 新入社員の皆様、ありがとうございました。 皆様、もう一度盛大な拍手をお願いいたします。 |
(6)食事・歓談 後半
新入社員の挨拶が終わったら再び歓談に戻ります。 この時、新入社員の方が輪に入りやすいよう一言入れてあげると親切です。 少人数の歓迎会の場合は歓談中に気にかけて率先して和を作ってあげるのもいいでしょう。 〇例文
またお時間もありますので、ゆっくりとご歓談をお楽しみください。 ぜひ新入社員の方を交えて親睦を深めて頂ければと思います。よろしくお願い致します。 |
(7)締めの挨拶
二番目に立場が上の方に締めの挨拶をお願いします。 歓迎会も終盤になり盛り上がっているところなので、新入社員の挨拶の時以上にはっきりと中断のための声がけをしましょう。 基本的には始めの挨拶や乾杯と同じく、スムーズにパスを渡すことをイメージして挨拶をお願いしましょう。 〇例文
ご歓談中失礼いたします。 大変名残惜しいですが、いよいよ閉会のお時間が近づいてまいりました。 ここで○○副社長に締めのご挨拶を頂きます。 ○○副社長、宜しくお願い致します。 ―締めの挨拶― ○○副社長、ありがとうございました。 |
(8)閉会宣言
挨拶が終わったら閉会を宣言します。 二次会を設定してある場合はその案内もここでしておきましょう。 〇例文
本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございました。 それでは、この辺で歓迎会をお開きにさせて頂きます。 新入社員の方々、改めましてよろしくお願い致します。 なお、二次会として居酒屋○○の方に予約を取ってあります。お時間に余裕のある方は是非ご参加ください。 |
まとめ
少人数の歓迎会の司会をする場合、主役はあくまで歓迎される新人の方だということを常に念頭に置いておきましょう。 新人に話を振ってあげたり、歓談するときに中に入りやすいように手伝ってあげる、というのがメインの仕事だと考えると動きやすくなります。 これらは小規模だからこそやりやすい動きですので、しっかり気を配ってあげましょう。