金婚式の贈り物にのしは必要?選び方や表書きのマナーを解説
2025/4/30
2025/04/30
金婚式を迎える夫婦に贈り物をする予定があるものの、「のし」の基本的なマナーを把握していない方も少なくないでしょう。金婚式の贈り物には、のし紙を掛けるのが基本です。
当記事では、金婚式の贈り物にかける「のし」の選び方や表書きのマナーを解説します。花束やケーキなど、のしを掛けない贈り物をする場合のアイデアも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
Contents
金婚式の贈り物にはのし紙を掛けるのが基本
金婚式の贈り物には、のし紙を掛けるのが基本的なマナーです。「のし」とは、紙の右上にある六角形の飾りで、慶事における贈り物であることを示すものです。のし紙は、「のし」、「用紙」、「水引」の3つの要素から成り立っています。
【お祝い事に用いられるのし紙の3要素】
のし |
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用紙 |
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水引 |
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のし紙の3要素が組み合わさることで、単なる包装紙ではなく、贈り物への敬意と祝福の気持ちを表す特別な意味を持つものとなります。
このように、のし紙は贈り物を丁寧に包み、贈る側の気持ちを表すために用いられます。特に金婚式のようなお祝い事においては、贈り物にのし紙を掛けることで、相手への敬意と祝福の気持ちを伝えられるでしょう。
金婚式の贈り物にかけるのしの選び方
のしには種類があり、用いるシーンによって選び方が異なります。金婚式などお祝い事の贈り物にかけるのしは、包装紙の上からのしをかける「外のし」を選ぶのが基本です。
【のしの種類】
種類 |
方法 |
用いるシーン |
内のし |
贈答品に直接のしをかけて上から包装紙を包む |
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外のし |
包装紙の上からのしをかける |
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ただし、郵送や配送の場合は包装紙が破れないよう、贈答品に直接のしをかける「内のし」を選ぶようにします。
金婚式のお祝いなど、贈り物を手渡しできる場合は外のし、郵送や配送の場合は内のしと使い分けるようにしましょう。
金婚式に用いる水引のマナー
金婚式に用いる水引は、紅白または金銀の「蝶結び」を選びましょう。水引とは、のし紙の中央にある紐のことです。水引には「何度訪れても喜ばしいこと」に用いる蝶結びと、婚姻関係など「一度きりのお祝い」に用いる結び切りの2種類があります。
お祝い事である金婚式に用いる水引のマナーは以下の通りです。
【金婚式に用いる水引】
種類 |
蝶結び |
色 |
紅白または金銀 紅白:慶事全般、結婚等のお祝いごと、お見舞いなど 金銀:一般的なお祝い、結婚、長寿などのお祝いごと |
本数 |
奇数
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金婚式は結婚祝いのため、贈答品に用いるのしは、「何度訪れても喜ばしいこと」に用いる「蝶結び」の水引が付いたものを使うようにしましょう。
お祝い事に用いる水引の本数は、5本が基本です。結婚式では、「慶びが重なるように」という意味を込めて、5本の倍の10本の水引を用います。3本は5本を簡略化したもの、7本は5本をより丁寧にしたものとされています。そのため、金婚式では、一般的なお祝い事に用いる5本、またはより丁寧なお祝い事に用いる7本の水引を選ぶとよいでしょう。
なお、のし紙には水引が印刷されているものもあります。贈り物に用いる水引に迷った場合は、お店の人に相談するといいでしょう。
金婚式の贈り物にかけるのしの書き方
金婚式の贈り物にかけるのしに限らず、のし(水引)の上段には贈り物の用途や内容、下段には贈り主の名前を書くという決まりがあります。
水引の上段に書く贈り物の用途や内容は、「表書き」といいます。金婚式の贈り物であれば、「金婚式御祝」「祝 金婚式」などと書きましょう。
贈り物の目的に合わせて適切な表書きを選ぶことで、贈り物の意味合いが伝わり、丁寧な印象を与えられるでしょう。
贈り主の書き方
のしの下段には、表書きよりやや小さな文字で贈り主を書きます。贈り主の人数が2名程度までであれば氏名を書き、それ以上の場合にはまとめて書くのが一般的です。
【のしの下段に書く贈り主】
個人(1名)の場合 |
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夫婦連名で贈る場合 |
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子ども・孫一同で贈る場合 |
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3名で贈る場合 |
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4名以上で贈る場合 |
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贈り主が1名の場合は、フルネームをのしの中央下段に書きます。肩書きを入れる場合は、氏名の右側に小さく記載しましょう。
夫婦で贈る場合は、夫はフルネーム、妻は名前のみ書きます。バランスを見て、夫婦の名前を並べて書いても問題ありません。
贈り主が3名いる場合、右から年齢順や役職順に氏名を書きます。贈り主がみな同じ年齢であれば、五十音順に書きましょう。
贈り主が4名以上の場合は、中央に代表者の氏名を書き、左側に「外一同」または「他一同」と小さく記載します。中包みに全員の氏名を書いた別紙を同封するとより丁寧です。
代表者がいない場合には「〇〇一同」や「有志一同」のように記載しても良いでしょう。
贈り主の名前は、のし紙全体のデザインやバランスを考慮して書く必要があります。とくに、水引が印刷されている場合は、水引の部分に重ならないよう注意して書くようにしましょう。
のしに使用する筆記具の選び方と書き方のマナー
のしに表書きを書くときには、筆記具とその色、文字に関するマナーがあります。
【のしに使用する筆記具のマナー】
筆記具 |
〇毛筆または筆ペン ×ボールペンや万年筆など |
色 |
〇濃い黒の墨 ×薄墨 |
文字 |
〇楷書 ×行書など |
のしの文字は、受け取った方が読みやすいよう、線を一画ずつ丁寧に書く「楷書体」で書くようにします。文字の書き方には点画をつなげたり離したりして書く「行書体」もありますが、楷書体を崩した書き方です。のしの文字を行書体で書くのは、略式で贈る場合のみにとどめるようにしましょう。
なお、のしの文字をボールペンや万年筆など線が細いペンで書いたり、弔事の際に使用する薄墨を用いたりするのはマナー違反になるので避けるようにしましょう。
のしを掛けない贈り物の場合
花束など、のしを掛けることができない贈り物やカジュアルな贈り物には、金婚式のお祝いにふさわしい色やラッピングなどを選ぶといいでしょう。
たとえば、花束であれば金婚式を象徴する黄色の花を選ぶようにします。また、ラッピングにも金色や黄色のリボンを取り入れるのも、金婚式の贈り物としてふさわしいでしょう。
さらに、のしの代わりにメッセージカードを添えて、祝福の気持ちを伝えるのも効果的です。
迷った場合はお店の人に金婚式の贈り物であることを伝え、贈り物の色やラッピングを選んでもらったりアドバイスしてもらったりしてください。
まとめ
金婚式は、50年連れ添った夫婦へのお祝いです。金婚式を迎える夫婦への贈り物にはのし紙を掛けるのが基本です。
金婚式の贈り物に用いるのしの水引は、紅白または金銀の「蝶結び」を選びましょう。表書きは「金婚式御祝」や「祝金婚式」とし、贈り主の名前は水引の下に記載します。筆記具は毛筆か筆ペン、濃い黒墨を使用します。
ただし、花束などのしを掛けられない贈り物やカジュアルな贈り物の場合には、無理にのしを掛ける必要はありません。金色や黄色のリボンやラッピングを選んだり、メッセージカードを添えたりして祝福の気持ちを伝えましょう。
金婚式の贈り物には、ふさわしいのし紙を正しく用いることで、金婚式を迎えるご夫婦をお祝いできるでしょう。