入社式の式次第とは?作り方やテンプレートも解説

2023/1/27

2023/01/27

入社式の式次第を作るとき、何から始めたらよいか迷う人もいますよね。式次第の種類や準備するもの、参考例など、知りたいことはたくさんあると思います。

この記事では、入社式の式次第の作り方を解説しています。テンプレートや注意点も紹介していますので、入社式の式次第を作りたい人は参考にしてみてください。

入社式の式次第とは進行表のこと

入社式の式次第とは、入社式の流れを示した進行表のことです。式次第は、事前に参加者に配布したり、当日会場に掲示したりして用いられます。

式次第は、入社式の進行順を箇条書きにして表示することで、入社式が円滑に進むのに役立ちます。また、式次第によって進行の流れが把握できるため、参加者の緊張感が和らぐことも期待できます。

参加者に入社式の流れが伝わりやすい式次第になるよう、用途に合わせて式次第を作りましょう。

入社式で用意する式次第の項目は会社によって異なる

入社式で用意する式次第の項目は、会社によって異なります。人数規模、業種、開催方法など、会社によって違いのある事柄を考慮したうえで、式次第を作成する必要があるためです。

【式次第を作る際の基本項目と考慮する事柄】

基本項目

考慮する事柄

①    会式の辞
②    社長挨拶
③    辞令交付
④    社員祝辞
⑤    新入社員答辞(決意表明)
⑥    閉式の辞

・人数規模
・参加者(来賓や保護者同席の有無)
・業種
・開催時期(花見や屋外会食など)
・開催方法(対面形式 or オンライン形式)

自社らしさを表現したユニークな入社式として、業種に関連したイベントを取り入れたり、企業紹介や新入社員を歓迎する映像を流したりする会社もあります。最近では、リモートワークの普及によって、オンライン形式で行われる入社式も増えてきました。

この記事では、会社によって様々な式次第の中から基本項目として6つを抜粋し、入社式の式次第の作り方を解説しています。式次第の項目は適宜加減し、自社のニーズに合った入社式の式次第を作ってみてください。

入社式の式次第の書式とテンプレート

入社式の式次第で使われる書式に「横型縦書き」と「縦型横書き」があります。同じフォントでも書式が変われば見え方も変わるため、用途に応じて適した書式を選びましょう。

【入社式の式次第のテンプレート:左「横型縦書き」右「縦型横書き」】

横型縦書きの書式は、主に掲示用として用いられます。壁面や黒板、ホワイトボードなど、横に長いスペースに掲示しやすいためです。式次第の項目が多くなっても横に広げて書けるため、文字が隠れてしまう心配がありません。

一方で、縦型横書きの書式は、主に配布用として用いられます。横書きが標準となっている書類やメール、ホームページなどに記載しやすいためです。問い合わせ先の電話番号やメールアドレス、会場地図のURLなども案内する必要がある場合は、特に、縦型横書きの書式が選ばれています。

掲示や配布などの用途に合わせて、見え方の違いを考慮しながら、参加者が読みやすい入社式の式次第を作りましょう。

式次第はパソコンと手書きのどちらで作る?

入社式の式次第は、パソコンと手書きとでは、一長一短の側面があります。式次第の作り方によって作業効率や仕上がりイメージなどに差があるためです。

【パソコンと手書きの比較】

 

パソコンで作る式次第

手書きで作る式次第

必要なもの

・パソコン
・編集ソフト(Word,Excelなど)
・プリンター+インク
・用紙

・筆記用具(筆、ペンなど)

・用紙

長所

豊富なデザインで手軽に作れる

一点もので温かみがある

変更や修正にも対応しやすい

企業の想いを伝えやすい

データ送信ができる

サイズに自由が利く

まとめて量産印刷できる

短所

デザイン次第で簡素な印象を与える

筆に覚えのある人でないと見栄えが悪い

プリンターでの印刷が必要

書き損じた際の修正に手間がかかる

掲示用の大きなサイズは、複数枚を貼り合わせる手間がかかる

一度に量産できない

補足

製作代行や代筆などの外部委託サービスもある

入社式の式次第をパソコンで作る場合、デザインがシンプルすぎると簡素な印象を与える恐れがあります。インターネットから無料でダウンロードできる装飾素材などを使って、趣のある式次第になるよう工夫してみましょう。

パソコンで作る式次第は、変更や修正にも対応しやすく、完成したデータをメールで送ったり、まとめて印刷したりするのに向いています。一方で、手書きで作る式次第は、書き損じた際の修正に手間がかかったり、一度に量産できなかったりと、パソコンに比べて作業効率は劣ります。

また、手書きで作る式次第は、筆に覚えのある人でないと見栄えが悪くなる恐れがあります。その反面、一点もので温かみがあり、企業(書き手)の想いを伝えやすいといった利点もあります。用紙のサイズに自由が利くため、掲示用の大きなサイズの式次第も作りやすくなっています。

ほかにも、入社式の式次第のイメージを左右するものとして、用紙があります。表面に繊維の模様が入った上品な和紙や、凹凸加工を施した高級感のある特殊紙などは冠婚葬祭に好まれています。

厚口の用紙であれば折れにくくなり、持ち運ぶ際にも重宝しますが、家庭用プリンターで印刷する場合は、用紙が厚すぎると紙づまりを起こす恐れがあるため、使用可能な用紙サイズをあらかじめ確認しておきましょう。

式次第をパソコンで作る場合のフォント

入社式の式次第をパソコンで作る場合、使用するフォントによって印象を変えることができます。

【フォントによる印象の比較:左「ゴシック体」右「手書き風フォント」】

筆で書いたような雰囲気をもつ書体に「毛筆フォント」がありますが、見やすさを重視するなら「ゴシック体」や「明朝体」などの標準フォントが適しています。文字の装飾性が低く視認性が高いため、ビジネスシーンでも用いられています。

一方で、手書きで記したような素朴で自然な印象をもつ書体に「手書き風フォント」があります。文字の大きさや角度にバラつきがあるため視認性は低くなりますが、全体的に柔らかい雰囲気を出せるのが特徴です。

読みやすく会社の雰囲気が伝わるような入社式の式次第になるよう、装飾と文字とのバランスを工夫しながら作ってみてください。

入社式の式次第の作り方

入社式の式次第の項目や書式が決まったら、書き方に注意しながら用紙に書き込んでいきましょう。パソコンと手書きのどちらで作るかによって作業効率は変わりますが、用途や項目ごとにポイントを把握しながら進めれば、スムーズに入社式の式次第を作ることができます。

【入社式の式次第の作り方】

作成手順

種別

ポイント

①     

開催日を明記する

掲示用

年度のみを記す

配布用

年月日を和暦で記し、開始時刻を明記する

(公的な書類には和暦[元号]を使うのが一般的)

会場名や司会者名なども明記する

②     

会社名を明記する

社名に続けて「入社式」と書く

③     

「式次第」と書く

表題を分かりやすく大きく書く

④     

項目を箇条書きで記す

横型縦書き

各項目の頭に漢数字の「―、」をつける

(項目に順位がなく平等に大切であるという意味)

縦型横書き

横型縦書きと同様に、漢数字で「一、」と書く

(算用数字による表記「123,…」でも可)

タイムテーブルを記載するのも有効

⑤     

「以上」で締める

本文の文字サイズと同じか、若干大きめに書く

(これ以上記載する内容はありませんという意味)

【式次第の記入例:左「掲示用」右「配布用」】

掲示用の式次第には、なるべく必要な項目だけを記載します。文字数を減らし、文字サイズを大きくして視認性を上げ、遠目からでも読みやすくするためです。手書きの場合、太筆や太字のマーカーペンを使用するとコントラストが強まって、さらに見やすい式次第に仕上げることができます。

配布用の式次第には、書式やレイアウト、装飾などのデザインを工夫して情報を記載します。式次第の項目に加え、問い合わせ先の電話番号やメールアドレス、会場地図のURLなども案内する必要がある場合に読みやすくするためです。

あらかじめタイムテーブルを記載するのも有効ですが、時間を細かく区切りすぎると当日の調整がしにくくなるため、時間設定は余裕をもって行いましょう。

なお、入社式の式次第を作る際は、参加者に失礼のないよう書き方には細心の注意が必要です。間違いが目立つ場合、会社の不信感につながる恐れがあるためです。誤字や脱字、特に固有名詞(氏名や企業名等)の書き間違いは失礼にあたります。確認や見直しは十分に行いましょう。 

入社式の司会台本と挨拶文の参考例

入社式では、式次第のほかにも「入社式の司会台本」や「入社式の挨拶文」を準備しておくとよいでしょう。あらかじめ入社式の構成を考えておけば、当日に内容の見直しが必要になったとしても調整しやすくなります。また、緊張のあまり言葉に詰まってしまうことを避ける意味でも備えておくと安心です。

【参考例:入社式の司会台本】

開式の辞

「一同ご起立願います。只今より【令和○年度 株式会社○○ 入社式】を開式いたします。」

「一同、礼。」(または「社旗・国旗に対し、礼」)

新入社員入場

「引き続き、新入社員入場。拍手でお迎えください。」

社長挨拶

「続きまして、社長挨拶。当社代表取締役○○より、挨拶をいただきます。新入社員、起立。」

辞令交付

「続きまして、辞令交付に移ります。新入社員、起立。」

社長の登壇を待って、新入社員(代表または全員)の氏名を読み上げ、社長より辞令を交付

社員祝辞

「続きまして、社員祝辞。新入社員、起立。」

「社員を代表して、○○○○より歓迎の言葉を送ります。」

新入社員答辞

(決意表明)

「続きまして、新入社員答辞(決意表明)。新入社員、起立。」

社長の登壇を待って、新入社員代表の氏名を読み上げ、答辞を促す

閉式の辞

「一同、ご起立願います。以上を持ちまして【令和○年度 株式会社○○ 入社式】を閉式いたします。一同、礼。」

アナウンス

「なお、このあと写真撮影に移ります。新入社員の方は会場にてお待ちください。」(または、「○○へ移動願います。」など)

【補足】

起立・礼・着席など、参加者に動作を促す箇所は、事前に打ち合わせておきます。式の流れで新たに誘導が必要になった場合は、適宜アナウンスを差し込みながら進行しましょう。

【入社式の挨拶文】

<はじめの言葉>

新入社員の皆さん、ご入社おめでとうございます。ここ数年の就職活動を考えますと、時節柄制限が多く、大変なご苦労があったことと思います。そのような中、こうして入社された皆さんを迎えることができましたこと、大変嬉しく思います。

<社長挨拶を受けて一言>

 会社の方針や基本理念につきましては、社長が話したとおりですので、私からは仕事に対する心構えについてお話させていただきます。一聴しただけでは難しいこともあるかと思いますが、これを念頭に置いていただければ幸いです。

~訓示を述べる~

<結びの言葉>

これから共に頑張っていきましょう。以上をもちまして、私からのお祝いの言葉と代えさせていただきます。

なお、会社によっては、入社式の後に新入社員の歓迎会を行うところもあります。歓迎会の挨拶について知りたいひとは「歓迎会を乾杯と締めの挨拶で盛り上げよう!シチュエーション別:例文集」も参考にしてみてください。

まとめ

入社式の式次第は、入社式の流れを示した進行表のことです。式次第は、入社式の進行順を箇条書きにして表示し、参加者に配布したり、会場に掲示したりして、入社式が円滑に進むのに役立っています。

入社式の式次第は、用途のほかにも会社ごとの違いがあります。パソコンと手書きのどちらで作るかによって作業効率が変わりますが、書式やレイアウト、書き方などのポイントを押さえれば、どの式次第もスムーズに作ることができます。

なお、入社式の式次第を作る際は、誤字や脱字に十分注意し、必要に応じて司会台本や挨拶文も準備するようにしましょう。