入社式に必要な持ち物とは?流れやマナーも併せて確認

2022/10/27

2022/10/27

社会人としての初めの第一歩が入社式ですが、入社式に参加予定の人の中には、どのような持ち物が必要なのか知りたい人もいますよね。

入社式は、企業の役職者を始め、先輩社員も参加する式典であるため、持ち物だけでなく、流れや事前に準備しておくことも把握しておきましょう。

今回は、入社式に必要な持ち物を紹介します。入社式の流れやマナーも併せて紹介するので、入社式に参加予定の人は参考にしてみてください。

入社式に必要な持ち物と入社式で受け取るもの

入社式に必要な持ち物は、「筆記用具」「クリアファイル」「名刺入れ」などが挙げられますが、基本的な持ち物以外にも、入社式ならではの必要な持ち物があります。

また、入社式で配布されるものもあるため、それぞれ紹介していきます。

必要な持ち物の内訳

入社式に必要な持ち物

〔① 身元保証書〕

第三者に自身の身元を保証してもらうための契約書のことを身元保証書と言います。自分は問題のない人間、ということを表すための書類でもあり、会社に何か損害を与えてしまった際に、連帯保証人になってくれる人を示した書類でもあります。

一般的には保証人として2名のサインが必要となり、保証人が両親や親戚であることが会社から指定される場合もあります。上京をしていて、近くに身元保証人がいない場合には、早めに準備する必要があるため、注意が必要です。

また、入社式当日ではなく、事前提出を求める会社もあるため、入社式の持ち物として必要のない場合もあります。

〔② 卒業証明書〕

学校を卒業したことを表す書類であり、経歴詐欺がないかを確認するために必要な書類です。事前に提出を済ませていることもありますが、提出がまだの場合は、卒業校へ卒業証明書の発行を申請し、受け取っておかなければなりません。

卒業証明書の発行には、顔写真付の身分証明書や発行するための手数料が必要となります。卒業校に行くことが困難な場合は、返信用封筒と必要書類を用意し、郵送で手続きを行います。郵送の場合は、発行までの時間や郵送されてくるまでの期間が学校によって異なるため、余裕を持って準備しておくことが大切です。

〔③ 国民年金手帳〕

入社に合わせて年金手帳を会社へ提出し、会社の金庫で管理される場合があり、定年である65歳以降、会社の管理によって積み立てた年金が支払われることになります。

国民年金手帳は成人と同時に年金事務所から郵送されますが、手元に年金手帳がない場合は、年金事務所での再発行手続きが必要となります。再発行には、2週間程度はかかる場合があるため、注意が必要です。

〔④ 機密情報/発明・著作物に関する同意書〕

IT関連や開発業務など、職種や業務内容によって必要となります。事前に受け取っている場合は、記載事項を確認して、必要な部分にサインをして持っていきましょう。

〔⑤ 身分証明書〕

身元保証書と似ているものに身分証明書がありますが、別物となるため注意しましょう。身分証明書は本籍地の役所で取得する必要があり、自ら役所へ行くか、委任状を書いて代理人に取得してもらい郵送してもらう方法などがあります。

〔⑥ 通帳・キャッシュカード〕

自分の給与の振込先を設定するために、口座番号と支店名が記載されている通帳やキャッシュカードが必要です。会社によっては指定の銀行がある場合もあるため、指定銀行の口座を持っていない際には、新たに作成する必要があります。

通帳自体を持っていかなくとも、コピーで対応可能な会社もあるため、どのような対応なのかを会社に確認してみるようにしましょう。

〔⑦ 印鑑〕

入社式で印鑑が必要な場面は、給与の振込先を申請する時です。もともと預金通帳として使っていた口座を給与の振込先として指定する場合に必要となります。

〔⑧ メモ帳・筆記用具〕

入社式でのオリエンテーションで、先輩社員からの言葉や内容をメモする場合があるため、持っておきましょう。

また、入社式後に配属先での業務に移ることもあるため、バックの中にしまっておき、いつでもメモを取れる状態を作っておくようにしましょう。

これらの持ち物は一部であり、運送業では運転免許証、専門職では資格証明書、などが必要となることもあります。会社ごとに指定されている持ち物があることも留意しておきましょう。

受け取るものの内訳

入社式で受け取るもの

〔① 入社辞令書〕

原則として配属先が記載されていますが、研修後に配属先が決定となる場合には、社員として認める、ということのみ記載されているものを受け取ります。

〔② 就業規則〕

就業や給与について、具体的に記載されている書類や冊子が、就業規則です。労働基準法に基づいて、会社ごとに定められた就業規則があります。社員と会社の間でトラブルが起きないために大切なものであり、会社の社員になる以上、必ず確認と保管をしておかなければならない書類となります。

就業規則を会社のサイトで公開し、閲覧可能となっている会社もあるため、入社式前に一度確認しておきましょう。

〔③ シャチハタ印鑑〕

シャチハタ印鑑は、配布する会社もあれば、配布しない会社もあります。

〔④ 研修用紙一式〕

入社式後に研修が始まる場合は、研修にまつわる教材が配布されます。研修用紙一式に合わせて、先輩上司から説明される場合があるため、メモを取れるところはメモを取るようにしましょう。

持っておくと役立つ持ち物もある

持っておくと便利でいざという時に困らない持ち物もあります。必要な持ち物を準備し終えた後に、チェックしておくようにしましょう。

入社式で持っておくと役立つもの

〔① エコバック・サブバック〕

入社式では、書類や会社関連の物を受け取ることになります。手持ちのカバンでは入りきらない可能性もあります。

エコバックや薄手のサブバックを持ち歩いておくことで、カバンの中も整理され、落としてしまうことも防げる場合があります。予備のバックは、入社式以外の通常業務の際にも役立つアイテムの1つとなるため、ロッカーやデスクにしまっておくと良いでしょう。

〔② 小型ミラー〕

入社式当日には、記念撮影がプログラムに組み込まれている場合があります。

小型ミラーがあれば、撮影前に身だしなみを確認することができるため、持っておくと良いでしょう。

〔③ 折り畳み傘〕

入社式前日には、天気予報をチェックしておきましょう。雨予報でなかったとしても、折り畳み傘をカバンに入れておき、急な雨でも対応できるようにしておくと良いでしょう。急な雨でも大切な書類が濡れるのを防ぐことができます。

〔④ エチケットアイテム〕

ハンカチやティッシュといったエチケットアイテムを持っておきましょう。ウェットティッシュやアルコールなども持ち歩くことにより、スーツや靴が汚れた際に活用でき、便利アイテムとなります。

自分が使わなくとも、誰か困っている人に差し出すこともできるため、小さなポーチやジッパー付きのポリ袋に入れ、カバンの中に入れておけるようにしましょう。体調が悪くなりやすい場合は、常備薬も併せて入れておき、取り出しやすいように整理しておくと良いでしょう。

入社式の流れを把握しておく

入社式では何を行うのか、どのような流れで進んでいくのかを事前に把握しておくことも社会人として重要です。一般的な入社式の流れや内容は下記の通りです。

入社式の流れ

①社長からの挨拶・祝辞

企業の代表でもある社長から新入社員に向けて、「新入社員に求めること」や「会社の将来」などの話があります。

②入社辞令授与

代表者がまとめて受け取る場合や、1人ずつ名前を呼ばれて直接受け取る場合もあります。

③新入社員による答辞

社長や先輩社員からの祝辞や訓示に対して、代表者がその答えとなる内容や答礼を話します。主に、入社式開催に対する感謝の言葉、入社に対する喜び、入社後の目標や社会人になる決意表明等を盛り込んだ内容の答辞を行います。

④記念写真

入社式の形として残る写真となるため、肩の力を抜き、リラックスした態度で臨みましょう。

⑤オリエンテーション

オリエンテーションでは、今後の業務で活躍するために、「業務内容」「会社の目標や課題」「ビジネスマナー」などを先輩社員から学びます。

⑥懇親会

「同期社員」「先輩社員」「今後お世話になる上司」と仲を深めるために行われるものが懇親会です。

なお、業種や規模などによって、入社式の流れは会社ごとに異なります。

入社式の案内の中に、流れが記載されている場合もあるため、事前に確認しておくようにしましょう。

入社式までに行うべき準備

入社式までにしておくべき準備について知っておきましょう。

入社式までにしておくべき準備には次のものがあります。

  • 提出書類の確認
  • 自己紹介のスピーチ

それぞれの準備について次の項目で解説しています。

提出書類の確認

持ち物を準備していく中で、まず提出書類を確認しましょう。

提出書類の中には第三者に記入してもらわなければいけないものや、書類を発行や郵送などで準備するために、時間がかかるものがあります。

入社式の持ち物の準備は、遅くても1ヶ月前にははじめ、入社式1週間前には書類が全て揃っている状態にしておくようにしましょう。

また、記入漏れを防ぐためにも、第三者に記入してもらう部分には付箋や説明書きを入れ、2度手間等を防ぐ工夫も必要です。

自己紹介のスピーチ

入社式後の懇親会や配属先などで、急に自己紹介を頼まれる可能性があるため、1分程度の簡単な自己紹介を考えておきましょう。

自己紹介の内容は、「名前」「出身校」「出身地」「今後の目標」、などの基本的な内容に加え、自分のことを覚えてもらいやすく、印象に残るスピーチを考えることがポイントです。

新入社員の多い会社では、色々な自己紹介を聞き、誰が誰なのか混乱してしまいます。自分のことを覚えてもらうためには、他の人とは異なる内容を1つでも加え、印象に残りやすくすることです。

たとえば、「あだ名」「趣味」、「特技」「自分ならではのエピソード」など、キーワードとなるトークテーマを加え、名前で覚えてもらえなくても、まずはキーワードとなる言葉で誰なのか判断してもらう方法もあります。

知っておくべき入社式のマナー

入社式に参加する際に知っておくべきマナーには次のようなものがあります。

  • 時間に遅れないように行動する
  • お辞儀をしても顔にかからない髪型を意識する
  • 入社辞令書の受け取り方を確認しておく
  • 懇親会では積極的に交流を行う

それぞれのマナーについて次の項目で解説しているのでチェックしていきましょう。

時間に遅れないように行動をする

社会人として大切なのは、時間に遅れないように行動をするということです。

これは社会人のマナーでもあり、社会人のスタートとなる入社式で、遅刻などがあってはいけません。

また、大きな会社や新入社員が多い会社では、入社式の会場を別で押さえていることがあります。

普段行き慣れない会場へのルートは、渋滞や電車の混雑により、到着時間がギリギリになってしまう可能性もあります。

会場までのルートをあらかじめ確認し、30分から45分前には会場に到着することを想定した行動ができるようにしましょう。

入社式前日は、寝坊をしないように早めに就寝し、余裕を持った行動ができるように備えましょう。

お辞儀をしても顔にかからない髪型を意識する

お辞儀をした際に、髪の毛が顔にかからないように、髪型を整えておきましょう。

男性は、前髪の長さはもちろんのこと、横髪にも意識を持たせ、耳にかからないようにカットすることが望ましく、前髪が長い、横髪や襟足が長い、などは暗い印象やだらしない印象を与えてしまうため、好ましくありません。

「ベリーショート」「ツーブロックショート」「ショート」などが定番のスタイルで、爽やかさや清潔感を与えてくれます。

女性は、髪の毛の長さにもよりますが、髪の毛が肩にかかる長さの方は、お辞儀をしても乱れないようにまとめることがポイントです。

髪の毛を結ぶことで清潔感を与え、好印象を残します。結ぶ長さがない場合は、黒のピンで髪の毛を止めるなどし、顔が隠れて暗い印象にならないように気をつけましょう。

入社辞令書の受け取り方を確認しておく

代表者のみが受け取るのか、1人1人名前を呼ばれて受け取るのか、会社によって受け取り方は様々ですが、自分が受け取ることになった際に困らないよう、受け取り方の手順を覚えておきましょう。

 入社辞令書の受け取り方
  1. ① 名前を呼ばれたら、元気に返事をして立ち上がり、発令者の前まで向かう
  2. ② 2歩分開けた前で立ち止まり、1礼する
  3. ③ 辞令書に書かれた文章が読み終わり、授与されるタイミングで1歩前に進む
  4. ④ どちらの手からでも構いませんが、片手ずつ辞令書を持ち、1礼する
  5. ⑤ 2歩後ろに下がり、回れ右をしてから、自分の席に戻り、着席する

辞令書も同様に、両手で受け取ることがマナーのひとつとされています。

この手順を完璧にマスターしなければいけないわけではありませんが、自分が上司となり、後輩に教えるタイミングがあるかもしれません。

その際に正しい受け取り方を教えられるようにするために、頭に入れておくようにしましょう。

懇親会では積極的に交流を行う

懇親会では、積極的に交流を行いましょう。

話すのが苦手、という方も中にはいるかもしれませんが、自分が困っている時に助けてくれる存在ともなる同期社員のことを知るためにも、自分から積極的に交流をすることは、後に大切となってきます。

親睦を深めることを目的として開催されている懇親会で、多くの人を知ることができる貴重な機会ともなるため、待っているだけではなく、自分から声をかけるなどの行動を心がけましょう。

好印象を残すためのポイントを押さえておく

入社式の様子を見た上司や先輩社員が受け取る印象が、今後の業務にも関わることを頭に入れ、入社式で好印象を残すためのポイントを押さえておきましょう。

身だしなみを整える

好印象を残すためには、身だしなみを整えましょう。服装や髪型など、身だしなみが整っているだけで清潔感を演出でき、ネクタイやアクセサリーなどの身につけるアイテムによって爽やかな印象を与えられる場合があります。

また、態度や言葉使いによっても、相手が受ける印象が異なります。先輩だけでなく、同期に対しても謙虚な姿勢を示すことで、見ている人は好印象を受けることがあります。

入社式はスタートラインに立ったばかりである、ということを頭に入れ、謙虚な姿勢で臨み、身だしなみを整えて参加することがポイントです。

表情が硬くならないよう笑顔を意識する

表情が硬くならないよう笑顔を意識しましょう。無表情よりも笑顔がある人の方が近寄りやすくなる傾向があります。

笑顔は相手に好印象を与え、距離を縮めるきっかけにもなり、入社式後の業務でも意識すべきポイントとなります。

また、笑顔は新入社員らしさ、爽やかさもアピールできるため、肩の力を抜いてリラックスし、笑顔を意識して参加し、好印象を残しましょう。

まとめ

入社式の持ち物は、会社によって異なりますが、用意するまでに時間がかかるものがあります。

また、持ち物の中にはなくても、入社式で受け取る書類の量を想定し、サブバックを持っていくことや、万が一に備えた折り畳み傘、社会人として基本となるエチケットアイテムなどの準備を行っておくことにより、困った時に役立つ場合があります。

入社式で好印象を残すためにも、忘れ物をせず、身だしなみを整え、リラックスした気持ちで入社式を迎えましょう。