入社式の挨拶の基本とは?注意点と例文を確認
2022/3/31
2022/03/29
企業によって入社式での挨拶は異なり、代表1人が行う社もあれば、1人1人が登壇して挨拶を行う社もあるなど、さまざまです。
いずれの場合においても、社会人になり、初めての仕事の1つとなります。
「登壇時は各場面での一礼」「はっきりと姿勢正しく話す」「感謝と今後の思いについて簡潔にまとめた挨拶内容」など、挨拶時の基本的なマナーや注意点を前もって確認し、当日を迎えることが望ましいです。
今回は、入社式の挨拶の基本から挨拶の例文まで解説していきます。
Contents
入社式の流れ
入社式は、企業が新入社員を社の一員として迎え入れるために行われる大切な式典です。
企業によって入社式の形や流れはさまざまですが、まずは入社式の基本的な流れから確認しておきましょう。
(1)開会宣言 司会者から、入社式の始まりを知らせる第一声があり、入社式がスタートします。挨拶内容は長くなく、簡潔にまとめられた一文です。 |
(2)代表挨拶 企業の代表が、新入社員に向けて、激励の言葉を述べるとともに、働く上で大切なこと、心構え、企業理念、訓示、等を話します。 |
(3)入社辞令交付 正式に社の一員として迎え入れることや新入社員の配属先等が記載された入社辞令を新入社員へ交付します。 企業の規模にもよりますが、新入社員1人1人が登壇して交付する、もしくは新入社員1人が代表として登壇して交付する場合の2パターンがあります。 |
(4)役員・各部長紹介 企業の規模により、役員や各部署の部長の紹介があります。司会者が名前を読み上げ、紹介された役員、及び部長がその場で一礼する形の簡単な紹介になることが多いです。 |
(5)新入社員挨拶 今回の記事のキーワードである新入社員の挨拶です。1人1人登壇して挨拶を行う、代表者1名が登壇して挨拶を行う場合の2パターンがあります。 社の一員として迎え入れられる感謝と、今後一員として働くことへの意欲等を簡潔に話します。 |
(6)記念撮影 入社式に参加した新入社員、企業の代表や役員が並んで写真撮影を行います。記念撮影も企業によっては入社式に組み込まれないこともあります。 |
(7)閉会宣言 入社式の終了を知らせる一声が、司会者からあり、入社式が終了となります。 この後、そのまま業務に移る企業もあれば、配属先に分かれて説明を受ける、一緒に働く同期や上司と親交を深めるための懇親会など、さまざまなパターンがあるため、あらかじめ入社式当日のスケジュールを把握しておくと良いでしょう。 |
入社式の挨拶の基本的な流れ
入社式の基本的な流れが分かったところで、新入社員の挨拶の流れについてです。
司会者から名前を読み上げられ、ステージに登壇し、挨拶を行いますが、一連の基本的な流れは、次の通りです。
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※(2)の役員席への一礼は、役員席がどこに位置しているかによって一礼のタイミングが異なり、役員席の前を通ってステージに向かう場合は、前を通る前に一礼をすることがマナーの1つでもあります。緊張のあまり、役員席への一礼を忘れることがないよう気をつけましょう。
入社式での挨拶内容
挨拶内容の基本的な形としては次の通りです。
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長くなりすぎないように簡潔にまとめようとすると、流れや繋ぎにまとまりのない内容となってしまうため、簡潔にまとめることを意識することは大切ですが、次の話にうつるための繋ぎの部分が自然になるように心がけましょう。
席から登壇までの注意点
席から登壇までの間では、次の2つに注意しましょう。
- 3回の一礼を忘れないようにしましょう
- 誰に対しての一礼なのかを明確にしましょう
3回の一礼を忘れないようにしましょう
一礼のタイミングは、「登壇前の役員席」「登壇後の全体席」「挨拶前のマイクの前」の3回です。挨拶後は逆の順序で、「挨拶後のマイクの前」「降壇前の全体席」「降壇後の役員席」の3回です。
もしも、演壇がない会場で挨拶となった場合には、全体席への一礼は、中央に進み、マイクの横に立って行いましょう。
誰に対しての一礼なのかを明確にしましょう
身体の向きや目線も、誰に対しての一礼なのかをはっきり示すことが大切です。
役員席に向かって挨拶をする際に、下を向いたままでは敬意が伝わらず、印象を悪くしてしまいます。登壇後の全体席に対して行う一礼も、真っ直ぐ前を向くのではなく、少し斜めに身体の向きを変え、全体に向かって挨拶していることを示す必要があります。
また、緊張や恥ずかしさから、目線が下を向いた状態での一礼にならないよう気をつけましょう。身体の向きを変え、目線を席へ移し、一呼吸置いてからの一礼が最も綺麗な形となります。
一礼と言っても、角度によってどのような意味を持つのか、どの場面で使うのかが異なります。 15度の一礼は会釈となり、すれ違いや挨拶程度、30度の一礼は敬礼もしくは普通礼となり、取引先訪問や来客送迎時などのビジネスシーン、45度の一礼は最敬礼となり、最も丁寧な一礼かつ、感謝や謝罪などの改まった場での一礼となります。 入社式の挨拶時の一礼は、最敬礼にあたるため、深く一礼するようにしましょう。 |
挨拶時の注意点とポイント
挨拶時には次の2つに注意しましょう。
- 姿勢良くハキハキと話しましょう
- 棒読みを避けて表情を豊かにしましょう
姿勢良くハキハキと話しましょう
声のトーンが低く、ボソボソ話すと、何を伝えたいのか、何を話しているのか分かりません。入社式という華やかな場でもあるため、新入社員らしい元気かつフレッシュな印象を与えるためには、自身が思っている声のトーンよりも1つ上、かつ口を開けることを意識し、ハキハキと話すことが大切です。
また、話す際の姿勢も重要です。背筋が曲がり、猫背で声を出しても、ハキハキした声は出ないため、背筋を伸ばし、お腹から声を出すようにしましょう。
棒読みを避けて表情を豊かにしましょう
挨拶の内容は大切ですが、挨拶の内容で良いことを言っていても、表情が暗かったり無表情のままでは、せっかくの挨拶を台無しにしてしまうこともあります。代表や上司からは、気持ちがこもっていない、棒読みすぎて内容が伝わらない、などと捉えられてしまう可能性もあります。
人前に立って話すことが苦手な方は多いと思いますが、慣れていない場合は、動画を撮って確認をする、第三者の前で練習をする、などの準備をしておきましょう。また、表情を豊かにするために、日頃から顔の筋肉を動かすことや、マッサージをしてほぐしておくと良いでしょう。
挨拶の際のマイクとの距離ですが、ポイントは拳2つ分を空けた距離が1番良いとされています。近すぎてしまうと、声がこもりがちになり、聞きにくくなってしまいます。反対に遠すぎては、声が小さくなり、聞き取りにくくなります。 マイクと口の距離は、拳2つ分を意識して話しましょう。 また、聞いている人に伝わりやすくするためには、あらかじめ用意していた内容を読み上げるのではなく、相手の存在を意識して話すことがポイントです。緊張でつい早口になってしまう、淡々と話してしまう、ということは珍しくありません。 常に、相手に対してゆっくり話す、話し方に強弱をつける、などの工夫をしましょう。 |
挨拶内容の注意点とポイント
挨拶内容については次の3つに注意しましょう。
- 敬語を正しく使うようにしましょう
- 全体の流れを意識しましょう
- 内容を簡潔にまとめましょう
敬語を正しく使うようにしましょう
挨拶の内容、かつ社会人として気をつけなければならないことが言葉遣いです。丁寧な挨拶を意識しすぎて、変な敬語になっていないか確認をしましょう。二重敬語や言葉の言い間違え等、理解しているようで実際には違った、なんてこともあります。
一発本番で話すのではなく、下記の例文を参考にすることや、考えた内容の確認を身近の目上の人に確認してもらう、などの準備を事前に行いましょう。
全体の流れを意識しましょう
挨拶内容の基本的な項目を上記で解説しましたが、項目を意識しすぎて、全体の流れがぶつ切り、まとまりのない内容とならないようにすることが大切です。項目ごとの繋ぎがスムーズであれば、聞いている側もストレスなく聞くことができます。
また、繋ぎを意識するあまり、余分な内容が入っていないかも併せて確認しましょう。
内容を簡潔にまとめましょう
もしも代表挨拶として登壇するのであれば、代表として熱い想いを伝えようと、つい長くなってしまうこともあります。ですが、ここで長く話すことは、悪印象を与えてしまうため気をつけましょう。せっかくの想いも、話が長く飽きられてしまう、ということになりかねません。
また、決められた入社式のスケジュールをずらしてしまう要因にもなる可能性があります。短く簡潔にまとまった挨拶は好印象を残すきっかけにもなるため、挨拶の中身に加えて話す時間も意識しましょう。
好印象な挨拶にするための1つのポイントとして、基本的な挨拶項目の中の自己紹介の部分で、出身大学や大学での活動、自身の趣味などを入れると、顔や名前を覚えてもらいやすく、同じ出身大学、同じ趣味、という共通点を通じて話しかけてくれる上司もいます。 また、職場の雰囲気が明るい場合は、あだ名や自身の特徴、意外な趣味などを入れてみるのも1つのポイントです。始めに自身のことを話すことで興味を持ち、挨拶全体を通して聞いてもらいやすくなります。 あくまでも新入社員の挨拶のため、挨拶の本当の目的である、感謝の言葉や入社への想い、今後の抱負が簡潔にならないよう、気をつけましょう。 |
入社式の挨拶の例文
入社式の挨拶の基本的な形や注意点を解説しましたが、ここでは挨拶の例文を紹介していきます。挨拶内に入れる5項目を忘れず、下記例文を参考に、自分なりの挨拶を準備しておきましょう。
(1)入社式開催にあたってのお礼 |
新入社員のための式典を開いてくれたこと、式典に参加してくれたことに対して、まずは感謝の気持ちを伝える。 |
(2)自己紹介(名前や配属先等) |
自身のことを知ってもらうための簡単な自己紹介をし、興味を持ってもらう。 |
(3)入社に対する想い |
入社ができたことへの喜びの言葉を伝える。代表挨拶の場合は、新入社員全員が共感できるような言葉で伝える。 |
(4)業務や一員としての今後の抱負 |
今後どのように働いていきたいか、どんな社員になりたいか、どのように会社に貢献したいか、などの自身の決意や抱負を伝える。 |
(5)今後の指導をお願いする言葉 |
入社後にお世話になる先輩方へ、自身に対しての指導をお願いする言葉、助けを借りることへの協力のお願い、などの言葉で締める。 |
本日は私どものために、このような素敵な式を開いていただき、ありがとうございます。本日入社いたしました、〇〇課〇〇〇〇と申します。 本日を迎えることができ、大変嬉しく思います。
私は〇〇大学を卒業し、学生時代はテニス部に所属し心身ともに鍛えてきました。 部活動で学んだ仲間の存在、困難に負けず諦めない精神を胸に、今後の業務につなげていく所存です。
しかし、社会人として未熟な点が多く、ご迷惑をおかけする場面もあるかと存じます。 1日でも早く会社に貢献できるよう精進いたしますので、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。 |
みなさま、おはようございます。〇〇課〇〇〇〇と申します。 本日は私たち新入社員のため、素敵な式を開催していただき、ありがとうございます。 今日この日を迎えることができたこと、また、株式会社〇〇に入社できたこと、大変嬉しく思います。
初めての出社で緊張もあり、新社会人として右も左も分からない状態ではありますが、会社発展のために全力で業務に取り組むこと、困難に負けず努力することを胸に、一生懸命頑張らせていただきます。
色々とご迷惑をおかけすることがあるかと思いますが、厳しくご指導のほど、よろしくお願いいたします。 |
おはようございます!本日〇〇課に配属となりました〇〇〇〇と申します。 本日このような素晴らしい式を開いていただき、ありがとうございます。この日を迎えることができた喜びを、改めて実感しています。
趣味は映画鑑賞で、特にサスペンスや推理物の作品が好きです。友達からは〇〇とあだ名を付けられるほどでした。 趣味で身についた集中力や解決策を業務でも活かし、早く会社に貢献していきたいと思っています。
上司の方々の力をお借りする場面も多々あるかと思いますが、ご指導のほどよろしくお願いいたします。 |
まとめ
今回は入社式の挨拶について解説しました。好印象な挨拶にするためには、席から登壇までの3回の1礼を忘れずに行うこと、挨拶時ははっきりとした声で表情豊かに話すこと、内容を簡潔にまとめること、などが挙げられます。
社の一員として、自身を知ってもらい、好印象な挨拶となるよう、事前に挨拶の練習をするなどの準備をしておくようにしましょう。