コロナだから社員総会は中止?それともやるべき?開催時の注意点
2020/12/1
2020/12/01
2020年、世界中で新型コロナ感染症が大流行しています。とにかく人と人が集まることを避けなければなりません。
けれども、感染症の拡大は「密を避けること」と「マスクを着用すること」の2つでかなり抑制できます。一方で、社員総会のようなビジネス上避けられない集会は、主催者としてどう対応すればいいのでしょうか。
単純に社員総会を中止にすればいいのか、それとも、コロナに気を付けながら実施するのか。この点はみなさんが悩むところです。
そこで今回は、コロナ時で「社員総会は開くべきなのか」そして「開く場合はどのような注意点があるのか」をテーマに、本記事をお届けします。
Contents
そもそも社員総会とは
社員総会とは一般社団法人やNPO法人などの法人が社団の意思を決定するための会議です。(株式会社の場合は株主総会となります)
社員総会は通常1年に1回実施されます。他に、臨時社員総会が実施されることもあります。
社員総会はNPO法人の第14条の2により、以下のように規定されています。
NPO法第14条の2:
第三節 管理
(通常社員総会)
第十四条の二 理事は、少なくとも毎年一回、通常社員総会を開かなければならない。
(出典:内閣府NPOホームページ)
【結論】社員総会の中止はできない。定款に沿った方法で対処するしかない
社員総会自体の中止は法令により禁じられています。
コロナ対策が万全の会場で通常どおり社員総会を開催するか、もしくはこのあとご説明する「みなし総会議決」や「オンラインの社員総会」を検討する必要があります。
コロナ対策が万全のパーティー会場で社員総会をする
通常どおり社員総会を開催するのであれば、コロナ対策をしっかり取った会場で社員総会を開くという方法があります。
当社直営のパーティー会場なら、業界最高水準の感染症対策でゲストをおもてなしできます。
【コロナ対策】が万全!パーティー会場のプロが実践「招待者が安心する準備リスト」
こちらの記事では、実際にパーティー会場のスタッフがどのようなコロナ対策をしているかを詳しくご紹介しておりますので、ご参照ください。
社員総会開催の4つの打開策
たとえコロナ禍であっても社員総会の開催を中止することはできません。ただし、みなし総会決議、オンライン開催をするなどの密にならない環境のための打開策はあります。
【 打開策①】会場には集まらずに書面で表決する
社員総会の開催について、まずは定款を確認しましょう。
定款は法人のルールを記載した書面であり、法律により法人設立時に必ず作成しなくてはいけないと規定されています。自社の定款を見つけたら、定款の中に「表決権」という言葉があるかを確認してください。
表決権とは、議会に参加する人が議題に対し賛否の意思を表示できる権利です。
定款の評決権のところに「やむを得ない場合は書面での表決権を認める」などと記載があれば、それに従いましょう。
【打開策②】みなし総会決議で少人数の社員総会を開く
NPO法人法では、社員総会で集まって議決をとる代わりに書面やメールなどで議決を取っても良いと規定しています。これは「みなし総会決議」と呼ばれています。
みなし総会決議をすれば、社員総会に参加しなかった社員が「総会に参加した」とみなされます。みなし総会決議を行うには、以下の条件をクリアする必要があります。
【みなし総会決議ができる条件】※特定非営利活動促進法 第14条の7の3で規定
- 社員総会で決議する内容について全社員が①書面または②電磁的記録により同意の意思を表示すること
- 電磁的記録については内閣府令で定めている方法であること。
みなし総会決議で社員総会の開催を中止にすることはできません。最低限、理事や役員など少人数の進行役は必要です。
また、定款で書面や電磁的記録を許可していないと、総会自体が無効となることもあります。事前に定款を確認しましょう。
【打開策③】オンラインでの社員総会
社員総会はオンラインでの開催も可能です。ただし、実際に開催されたと法的に認められるためには、以下の条件があります。
【オンライン社員総会の開催が認められる条件】
役員のみならず、社員も発言したいときは自由に発言できるようなマイク等が準備され、その発言を他者や他の会場にも即時に伝えることができるような情報伝達の双方向性、即時性のある設備・環境が整っていることが必要。
【打開策④】代理人へ委任する
NPO法人法第十四条の七では、社員総会への出席の代わりに代理人に評決権を委任することができると規定しています。
【代理人への委任】※特定非営利活動促進法 第十四条の七で規定
(社員の表決権)
第十四条の七
2 社員総会に出席しない社員は、書面で、又は代理人によって表決をすることができる。
(出典:法令検索|特定非営利活動促進法)
まとめ
最も手っ取り早いのはオンラインでの社員総会ですが、人数が多い場合は双方向での意思疎通が難しく、実際に開催する際にはITネットワークの構築とシステムの導入が必要になることでしょう。
みなし総会決議が難しい、オンラインでの社員総会の実施が難しいという場合は、感染症対策が講じられた会場での実施をオススメします。