展示会の目的とは?まず整理しておきたい基本と考え方
2025/6/25
展示会への出展は、自社の商品やサービスを広く知ってもらうチャンスです。けれども、準備を進めるなかで「そもそも今回の展示会って、何のために出るんだっけ?」と立ち止まる場面もあるかもしれません。
展示会の出展目的が明確になると、伝えたい相手や訴求ポイントがはっきりし、ブース設計やスタッフ対応、配布物などすべての準備に一貫性が生まれます。
この記事では、展示会出展の目的を整理するための視点と、目的別のKPIや準備の進め方についてまとめました。社内企画書や報告資料の作成にも活用していただければと思います。ぜひ参考にしてみてください。
Contents
展示会の主な目的3つとその考え方
展示会の出展には、企業によってさまざまな意図がありますが、大きくわけると以下の3つに分類することができます。
商品・サービスの認知拡大
展示会は、自社の商品やサービスの認知度を高めるための有効な手段です。特定の業界やテーマに関心を持つ多くの来場者があつまる展示会は、自社の存在や強みを効率よく伝えることができます。とくに、新しいブランドや市場に出るタイミングでは、「知ってもらう」機会として展示会を利用することもあります。
たとえば、スタートアップ企業が展示会に出展し、まだ知られていない自社サービスを紹介することで、名刺交換やSNSの投稿などを通じて、ターゲット層にリーチできる可能性や、
新規事業の立ち上げ時に、展示会でブランドを周知する場として活用するという方法もあります。新商品や新サービスを広めたいタイミングでは、展示会の出展は有効な手段と言えるでしょう。
新規リード・商談の創出
展示会は、見込客との新たな接点を作ることができます。ブースに立ち寄った来場者と直接会話ができ、興味を持ってもらえれば、その場で名刺交換や資料請求につなげることができます。つまり、出展そのものが営業の入口になります。
展示会で収集した名刺は、その後のメール配信や商談フォローに活用することで、受注につながる可能性もあります。ただし、展示会では決裁権のない担当者や若手社員が情報収集のために訪れるケースも少なくありません。そのため、そうした方々が「社内に持ち帰って説明しやすい資料」や「思わず上司に見せたくなる仕掛け」を用意しておくと、社内共有から意思決定へとつながりやすくなります。
営業活動の一環としてリード獲得を目的とする展示会出展は、特にBtoBビジネスにおいて成果が期待できる方法です。
既存顧客との関係性強化
展示会は、既存の顧客とリアルで接点を持ち、関係性を深める機会としても活用できます。
オンラインやメール中心のやり取りが多い場合でも、展示会で実際に顔を合わせることで信頼が生まれやすくなります。その場で新商品を紹介したり、相談に乗ったりすることで、満足度が上がり、継続取引やアップセルにもつながる可能性があります。
たとえば、展示会で新しい機器の実演を見せることで、買い替えの契約をその場で獲得できるということもあり得ます。実際に目にすることで、顧客の理解を深めることができるという点でも、展示会出展は非常に価値のある場となります。
展示会の目的に合わせて戦略を立てる
展示会の出展を成功させるためには、出展目的に応じた戦略が欠かせません。目的が明確になることで、ターゲット像やブースの作り方、スタッフの配置、配布物の内容まで全体の準備に一貫性が出ます。
展示会の目的 | 戦略例 |
商品・サービスの認知拡大 |
来場者の目を引くブースデザイン SNSでシェアされやすい仕掛けを盛り込む |
新規リード・商談の創出 |
サービスの魅力を短時間で説明できる資料 情報取得しやすい導線設計 |
既存顧客との関係性強化 |
ゆったり話せるスペースの確保 個別相談対応など信頼を深める設計 |
このように、「誰に、何を、どう伝えるか」を整理したうえで展示設計を行うことで、出展目的に合った成果を得やすくなります。目的に合わせた戦略は、展示会全体の準備や運営の精度を高めるカギとなります。
展示会の目的に合わせてKPIを設定する
展示会でどのような成果を得られたかを振り返ることができるように、事前にKPI(重要指標)を設定しておくことが大切です。目的が明確になっていると、KPIも設定しやすくなり、出展後の評価や改善点が明確になります。また、社内での報告や費用対効果の説明にも役立ちます。
たとえば、新規リード獲得が目的であれば、「名刺交換数」「アポ件数」などが指標になります。認知拡大が目的の場合は、「パンフレット配布数」や「SNS投稿数」などブランド接触回数を数値化すると良いでしょう。それぞれの目的に合わせたKPIのイメージを参考に記載します。
展示会の目的 | 主なKPI例 |
商品・サービスの認知拡大 |
パンフレット配布数、SNS投稿数、Webサイトアクセス数など |
新規リード・商談の創出 |
名刺交換数、問合せ件数、アポ取得数、商談化率など |
既存顧客との関係性強化 |
顧客の来訪件数、アンケート結果、再契約・アップセル数など |
KPIは目的に合った数字を選ぶことが大切です。すべての数字を追いかけようとせず、最も成果に直結する指標を事前に決めておくことで、展示会の振り返りもスムーズになります。
展示会の目的を社内で共有・活用する
展示会の出店目的が明確になったら、その内容を社内で共有し、チーム全体で認識を揃えることが大切です。出展は、営業・広報・マーケティング・制作など、複数の部門が関わることが多いため、目的が共有されていないと準備や現場対応がちぐはぐになってしまうことがあります。
たとえば、認知拡大が目的であれば、スタッフ全員が「ブランドの世界観を伝えること」に集中した対応をする必要がありますし、新規リードの獲得が目的であれば「短時間で訴求できる説明を共通で持つ」といった連携が重要になります。
また、KPIと合わせて目的を共有することで、出展後の成果報告もしやすくなります。「名刺交換は〇件、アポにつながったのは〇件」といった数値に加え、「目的に対してどこまで達成できたか」という視点を持つことで、報告内容にも納得感が生まれます。出展の目的は、準備をスムーズに進める以外にも、社内の合意形成や評価の軸にもつながります。チーム全体で共通のゴールを意識することで、当日の動きにも一体感が生まれやすくなります。
まとめ
展示会は「何を達成したいのか」という目的を明確にすることが重要です。目的を言語化することで、準備や展示内容がブレなくなり、社内での共有や出展後の評価もスムーズになります。
さらに、目的に応じて戦略やKPIを設定しておけば、費用対効果の説明や次回改善への道筋も見えやすくなります。まずは「自社にとってこの展示会は何のために出展するのか」を整理することから始めてみてください。
展示会といっても、形式や規模はさまざまです。小規模な製品発表や商談会であれば、セミナー形式の会場を活用するのも一つの方法です。ハンターガイダーでは、セミナー・イベントでの会場活用事例も紹介していますので、よろしければご参考にどうぞ。