研修のお礼は必要?メールやお礼状の書き方や注意点を解説

2022/10/4

2022/10/04

研修に参加する予定の人の中には、研修後に上司や講師へお礼のメールやお礼状を書くかどうかを迷っている人もいますよね。また、どのような内容を書いたら良いのかを悩んでいる人もいるでしょう。

研修の受講後には、お礼メールやお礼状を書くことを検討しましょう。お礼メールやお礼状を書く際、ポイントや注意点があります。

今回は、研修のお礼として、メールやお礼状が必要な理由を解説します。お礼メールやお礼状を書く際のポイントや注意点を例文と合わせて紹介するので、研修に参加予定の人は参考にしてみてください。

研修のお礼

研修では、上司や専門講師からの講義を通して、学んでいくことになります。上司や専門講師など、教えてくれた人への感謝の気持ちを伝える方法として、「お礼メール・お礼状」「謝礼金」「お菓子」が挙げられます。

お礼メールやお礼状

受講者として参加している場合は、講師や誘ってくれた上司などへのお礼として、お礼メールもしくはお礼状を送る方法があります。

「研修を通して何を学ぶことができたのか」「どんなことに気づけたのか」を文章で書き、感謝の気持ちを伝えます。再度会う予定があれば、お礼メールやお礼状だけではなく、直接会った際にもお礼の言葉を述べるようにしましょう。

謝礼金

研修を主催している側がお礼を送る場合には、依頼している講師や上司に見合った金額を、謝礼金として渡す傾向があります。謝礼金の相場は講師によって様々で、主催側から提示をする場合もあれば、講師から金額を提示される場合もあります。

お菓子

受講者が少ない、もしくは、自分のために開かれた研修であれば、お菓子を持参してお礼を行うことがあります。

たとえば、バイトの研修や、他県店舗での研修など、大人数ではなく、自分のために色々な分野の人から教わる機会がある場合は、研修最終日、お礼の言葉と併せてお菓子を配ることにより、お世話になった人へ感謝の気持ちを伝えます。

研修のお礼が必要な理由

研修でのお礼はするべきなのか、お礼をしなくてもいいのではないか、と疑問に思う人もいるかと思いますが、研修受講後にお礼を送ることは、マナーのひととして意識しておきましょう。

研修は、「スキルや知識を教えてくれる講師や上司」「推薦をしてくれた先輩」「主催をしてくれた運営担当者」など、様々な人の協力のもと、開催されるものです。自分が今後の業務で困らないよう、もしくは今後に期待をして研修が企画されるということを考え、そのことに対して感謝を伝えることは、必要なことです。

「1人では気づけなかったこと」「研修を受講したことによって新しく学べたこと」などを得られることにより、今後の業務や会社の利益に繋がる可能性があります。研修で得たものが結果となって自分に返ってくるということを考え、研修受講後のお礼を行うようにしましょう。

研修のお礼メールやお礼状のポイント

研修後に送るお礼メールやお礼状を書く際には、いくつかポイントがあります。

【お礼メールやお礼状のポイント】
  • 分かりやすい件名を記載する
  • 研修を受講したことで得られたことを具体的に記載する
  • ビジネスマナーを意識した文章でまとめる
  • お礼はできるだけ当日中に送る
  • お礼状は便箋で送る

これらはあくまで一例です。お礼メールやお礼状を作成する際の参考にしてみてください。

分かりやすい件名を記載する

業務を行う中で、取引先やお客さんとメールでのやり取りを行う場合があるため、1日に多くのメールを受け取りすることがあります。その中にお礼メールを送ったとしても、見過ごしてしまったり、埋もれてしまったりする可能性があります。

メールでお礼を送る場合には、件名を見ただけで誰から届いたのか、何のメールなのかが分かるように「〇〇研修のお礼 会社名・部署・名前」を記載するようにしましょう。とくに、社外の講師に送る場合には、登録のないアドレスからメールが届くことになるため、会社名や名前を件名に入れておくと印象に残りやすくなる傾向があります。

研修を受講したことで得られたことを具体的に記載する

「〇〇研修、ありがとうございました」「とても勉強になりました」「今後ともよろしくお願いいたします」などの定型文を並べても、相手に気持ちが伝わらない場合があります。また、定型文のみのメールやお礼状は、相手に対して失礼にあたるおそれがあります。

お礼メールやお礼状を送る場合には、「研修を受講したことで何が得られたのか」「何を知ることができたのか」「どんなことに気づけたのか」「業務にどう活かしていけそうなのか」などを記載するようにしましょう。具体的な内容であればあるほど、相手に気持ちが伝わりやすく、相手も研修を行って良かった、という気持ちになることがあります。

ビジネスマナーを意識した文章でまとめる

上司や親交のある人へのお礼メールは、業務連絡や普段の慣れた内容になりがちです。研修のお礼を送ることは、ビジネス上のやり取りとなるため、敬語やビジネスマナーを意識した内容にしましょう。

たとえば、普段であれば用件から入る内容でも、用件の前に「〇〇課長」という一文を入れることや、普段では改行が少なく伝えたい内容のみを記載しているが、相手が見やすくなるように改行をうまく使うなど、普段のメールとは一味違う部分を見せることにより、目に留めてもらいやすくなる可能性があります。

お礼はできるだけ当日中に送る

研修受講後、業務に追われてお礼を送る時間が取れなかったという理由で、1週間後にお礼を送ったとしても、届いた方は「何のメールだろう」「何かあったのか」などのように感じてしまう場合があります。

また、お礼を送るスピードが遅ければ遅いほど、自分の印象を悪くしてしまうきっかけにもなりえます。

講師や上司は、通常の業務や忙しい合間を縫って研修を行ってくれています。そのことに対して優先的に感謝の言葉を伝えることが大切であり、お礼を送るスピードもポイントのひとつです。

お礼状は便箋で送る

お礼をメールではなく、手書きでお礼状として送る場合には、便箋を使用しましょう。ハガキを使用してのお礼状もマナー違反ではありませんが、便箋を使用することでよりフォーマルな形となり、丁寧さが出るため、便箋を使用してお礼状を書くことを検討してみましょう。

手書きで受け取るお礼状は珍しく、受け取る側の気持ちも晴れやかになる場合があります。

ただし、手書きだからこそ、字の間違え等が目立ちやすくなるため、間違えがないか、封を閉じる前に細かく確認し、送るようにしましょう。

研修のお礼メールやお礼状の例文

実際のお礼メールやお礼状を、どのような内容にしたら良いのか、例文をいくつか紹介します。

〔研修を推薦してくれた方へ受講報告と併せて送る〕

研修に参加することを推薦してくれた上司に対してのお礼メールやお礼状の例文です。社内の上司であれば、頻繁に顔を合わせることもありますが、直接会った際の挨拶も忘れずに行いましょう。

学んだことを具体的に書くのではなく、受講したことで今後の業務にどう活かしていけそうなのか、を書くことがポイントであり、お礼と併せて受講したことを報告するという意味も込めて、内容を考えましょう。

お礼メール・お礼状の例文

〈件名・タイトル:〇〇研修参加のご報告 〇〇部 〇〇〉

 

〇〇課長

 

お疲れ様です。〇〇です。

先日は〇〇研修を推薦していただき、ありがとうございました。

本日、研修を受講しましたことをご報告いたします。

 

研修では、今後のビジョン形成の仕方について学ぶことができ、

来月から始まるプロジェクトでは、プロジェクトの目標を理解し、

チームを引っ張っていけるよう、学んだことを早速活かしてまいります。

 

貴重な機会に推薦いただき、本当にありがとうございました。

また、自分に役立つ研修の場面がありましたら、

積極的に参加させていただきたいと考えておりますので、

よろしくお願いいたします。

 

〇〇部 〇〇 〇〇

〔研修講師を務めた上司へ送る〕

研修の講師が上司であった場合、学んだ内容を具体的に書くことがポイントで、今後どのように活かしていくかについても記載するようにしましょう。

文面の最後には、今後もお世話になること、指導してもらうことについての一言を忘れずに入れましょう。また、研修後に顔を合わせた際にも、感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。

お礼メール・お礼状の例文

〈件名・タイトル:〇〇研修のお礼 〇〇部 〇〇〉

 

〇〇課長

 

お疲れ様です。〇〇です。

本日は〇〇研修、本当にありがとうございました。

 

課長のご経験談や、今後の働き方のポイントを伺うことができ、

大変勉強になりました。

 

今後のビジョン形成について、周りの意見が必要なこと、

見極める力が自分には欠けていることを知ることができ、

具体的な今後の取り組み方を学ぶことができました。

また、自分に必要な役割についても知ることができました。

 

来月から始まるプロジェクトでは、チームを引っ張っていけるよう

〇〇研修で学んだことを早速活かしてまいります。

その際には、またご相談させていただきたく思います。

 

今後とも、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

 

〇〇部 〇〇 〇〇

〔研修講師を務めた社内の方へ送る〕

直接的な関係はなくても、プロジェクトの一部として学んでおくべきスキルや知識の研修であれば、他部署にいる社内の人が講師となる可能性もあります。件名に部署と名前を書きますが、本文にも、氏名と併せて部署を書きましょう。部署が違うだけで、誰なのか覚えてもらいにくく、本文にも書き加えることにより、覚えてもらいやすくなる傾向があります。

内容は、研修を受けたことで新たに分かったことをメインに書くことがポイントで、今後関わりを持つ可能性があれば、そのことにも触れた内容となるようにしましょう。

お礼メール・お礼状の例文

〈件名・タイトル:〇〇研修のお礼 〇〇部 〇〇〉

 

〇〇部 〇〇様

 

お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。

本日はご多忙の中、〇〇研修をご担当いただき、

ありがとうございました。

 

今回受講したことで、お客様からの要望があった際に、

どのように答えるべきか、どうしたらご満足いただけるのか、

具体的な対応方法を知ることができました。

 

現在のプロジェクトでも早速実践していきます。

また、来月からのプロジェクトでは、

〇〇部がお世話になりますので、併せてよろしくお願いいたします。

 

〇〇部 〇〇 〇〇

〔社外の研修講師へ送る〕

社外の講師へお礼メールやお礼状を送る場合には、社内の人へ送る時よりも、丁寧な文面になるよう、心がけましょう。

また、研修を様々な場所で行なっている可能性もあるため、件名・タイトルには、「〇〇社での〜」という一言を入れ、どこでの研修なのかを分かりやすくすることがポイントです。講師の状況を考えることで、全体的に丁寧なお礼メールやお礼状を書くことができます。

お礼メール・お礼状の例文

〈件名・タイトル:□□社での〇〇研修のお礼 □□会社 〇〇〉

 

〇〇様

 

お世話になっております。□□会社 〇〇と申します。

先日、□□会社で実施していただきました〇〇研修にて、

大変お世話になりました。

 

現在までに、今後のビジョン形成について1人で考えることが多く、

周りの意見を聞くことがありませんでしたが、〇〇研修を受講し、

周りの意見が非常に重要であることを知りました。

 

チームのメンバーとの話し合いを行い、

今後の取り組み方を改めるきっかけにもなりました。

自分に必要な役割についても学ぶことができ、

とても有意義な時間となりました。

 

研修で学んだことを、早速実践してまいります。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

 

□□会社 〇〇部

〇〇 〇〇

〔手書きでお礼状として送る〕

通常の手紙やお礼メールとは異なり、お礼状として送る場合には、「前文・主文・末文・後付け」の4つの要素を入れ、文章構成を立てて書くことが大切です。

お礼メールと異なる点は、お礼状には前文があり、末文との繋がりを意識した形で終われるようにすることです。メールではなく、お礼状ということを意識した内容になるように考えてみましょう。

お礼状の書き方

前文

本題に入る前の初めの挨拶に当たる部分で、〈頭語〉〈時候の挨拶〉〈日頃の感謝や安否を気遣う言葉〉の3つを記載します。頭語は、末文の結語とセットで用いられるため、結語も併せて確認しておきましょう。

主文

本題かつ本文の部分になるため、研修のお礼を書きます。お礼メールと同様に、送る相手に合わせて、研修で学べたことや気づいたこと、今後どのように活かしていくのか、などを簡潔にまとめます。

前文との区切りを分かりやすくするために、「早速ですが」「さて」などの起語から始めることが一般的です。

末文

全体のまとめ、手紙を締めくくる部分であり、先方の健康や今後の活躍などに対しての言葉を入れます。

そして、手紙の始まりが「拝啓」で始まったのであれば「敬具」で終わるなど、頭語とセットの結語を用いて、手紙を締めくくりましょう。

後付け

手紙をいつ誰が書いたのか、誰に宛てたものなのか、などの詳細が分かるように手紙の最後に記載します。記載する項目は下記の通りです。

  • 手紙を書いた日付
  • 書いた人の氏名
  • 手紙を宛てた人の氏名や企業名

手紙を書いた日付は、一般的に年月日で記載しますが、“年” の部分は省略し、“月日” のみでも問題はありません。

研修のお礼メールやお礼状での注意点

研修後に送るお礼メールやお礼状には、それぞれ注意点があります。お礼メールやお礼状を作成する際に参考にしてみてください。

お礼メールの注意点

・長くならないように簡潔に書く

・誤字脱字や宛名の間違いに気を付ける

長くならないように簡潔に書く

研修を受講できたことへの喜びから、つい自分の想いを長く書いてしまうことがあります。

しかし、講師の人は多くの人からメールを受け取っている場合があるため、長々とした文面にならないように簡潔にまとめることがポイントです。

「研修で学べたこと」「どのように業務に生かしていくか」などをメインで書き、直接会う機会があるのであれば、その際に自分の想いを話す程度にしましょう。

誤字脱字や宛名の間違いに気をつける

急いでお礼メールを書いたことによって、変換ミスがないように気をつけましょう。ミスがあることで、「確認をしない人」「ミスの多い人」などのような印象を与えてしまう可能性があります。

また、アドレスの打ち間違えにも気をつけましょう。送ったはずのお礼メールが講師に届かず、「お礼をしない人」「マナーがない人」と思われてしまっては台無しです。アドレスの確認と、送信されているかのチェックも行いましょう。

お礼状の注意点

  • 黒か青のボールペン・万年筆で書く
  • 時候の挨拶の使い方に気を付ける
  • 副文は記載しない

黒か青のボールペン、もしくは万年筆で書く

メールではなく、手書きでお礼状を書く際には、黒もしくは青のボールペンで書きましょう。万年筆を持っている場合には、万年筆の方がより丁寧になる場合があります。

間違えてしまった場合には、修正ペンを使わずに、始めから書き直すようにし、自信がない場合は、下書きをしてから書くようにしましょう。

なお、消せるボールペンは、通常のボールペンに比べて色が薄いことや、日数を置くと薄くなってきてしまうことがあるため、使わないようにしましょう。

時候の挨拶の使い方に気をつける

前文では、季節感や心情を表す時候の挨拶を記載しますが、「〇〇の候」という表現があります。この表現は、古くから使われていることもあり、事務的に捉えられてしまうこともあるため、自分が感じる言葉に書き換えるようにしましょう。

たとえば、3月であれば「桜が綺麗な季節を迎え」「近頃暖かい日が続いていますが」、8月であれば「残暑が厳しい日々ですが」「涼しい日々が続き心寂しく感じる頃」、などのように、手紙を書きながら感じる天候や季節についての言葉を考えましょう。

副文は記載しない

手紙の文章構成には、本来、5つ目の「副文」も含まれます。副文は、追記したいこと、書き忘れた内容、等を記載する部分です。

お礼状は、感謝を伝えるものであり、目上の人に対しては失礼な部分となるため、お礼状での記載は不要となります。通常の手紙であっても、送る相手が目上の人であれば、副文を入れずに送るようにしましょう。もしも、書き忘れた内容がある場合には、始めから書き直すようにすることが大切です。

研修のお礼を受け取った際の返信について

お礼メールやお礼状を受け取った際には、受講者と同様に、返信のスピードが重要です。講師であれば、参加者からそれぞれメールを受け取るため、当日中に返信することが難しい場合がありますが、なるべく早めに返すことを意識しましょう。

また、メールを受け取ったことで、やり取りが続いてしまうこともゼロではありません。相手は返信が来たことに対し、「応対せずのままでは失礼」と感じ、気を遣っている場合があります。そのため、メールのやり取りが続いてしまう場合には、返信文の最後に、返信は不要ということが伝わる丁寧な言葉を加えてから送るようにしましょう。

たとえば、「ご返信にはお気遣いなく、上記ご確認いただけたらと思います」などのように、言葉が強くなりすぎないようにすることにより、相手も安心してやり取りが終えられるでしょう。

返信の内容について

送られてきた内容に返信する際は、まず受講してくれたことへの感謝の気持ちと、お礼を送ってくれたことに対しての感謝を伝えましょう。

文面だからこそ、読む人によって感じ方は様々ですが、たとえ講師だとしても、上から目線にならないよう、丁寧な言葉で返信することが大切です。「至らない点もあったかと思いますが、ご寛容に受け止めていただけたらと思います」などのように、丁寧に返信することにより、相手も気持ちよく研修を終えることができるでしょう。

また、受講者が今後、後輩や知り合いに対して研修の紹介をした際に、再度関わることや、実際に会う場面があるかもしれないことを想定し、「今後とも、お付き合いの程、よろしくお願いいたします」と締めくくると良いです。

まとめ

研修後に、講師や研修を推薦してくれた上司に対して、お礼メールやお礼状を送ることはマナーのひとつとして意識しておきましょう。お礼を送るスピードによって、自分の印象が変わってしまうおそれがあるため、研修を受講した日のうちに、お礼メールや受講報告を行うように意識しましょう。

件名には、メールの内容が分かるように、「〇〇研修のお礼」という一文を記載し、本文には、「研修を受講したことによって何を得ることができたのか」「どのように業務に活かしていくのか」などを具体的に記載することがポイントです。

また、手書きのお礼状は、より丁寧さが伝わる反面、気をつけなければならない点もあります。メールには無い「前文」を用いて、文章構成を立てた上で書くようにしましょう。