研修の挨拶で押さえておくべきポイントを解説
2022/9/2
2022/09/02
社員が業務で必要となるスキルや知識を学ぶために、会社が企画するものが研修です。
研修では司会者の進行が必要となり、司会者の挨拶も重要となります。
参加している受講者の気持ちに響くような挨拶を意識することが大切です。
今回は、研修の挨拶で押さえておくべきポイントを解説します。
挨拶の例文や締め方も解説するので、研修の挨拶をする予定の人は参考にしてみてください。
Contents
研修流れ
基本的な研修の流れは下記となります。
1.受付 2.開会の挨拶 3.講師による講義① 4.講義①に対しての質疑応答 〜 休憩 〜 5.講師による講義② 6.講義②に対しての質疑応答 7.閉会の挨拶 |
研修は、専門講師による講義がメインとなり、研修内容によっては、実践練習やグループに分かれての討論会などが組み込まれることもあります。
また、場合によっては数日〜1週間などの日数をかけた長期研修もあります。
研修の挨拶のタイミング
司会者が研修で挨拶を行うタイミングは、主に研修開始時の「開会の挨拶」と、研修終了時の「閉会の挨拶」です。
研修に参加する受講者の想いは様々で、研修開始時の司会者の挨拶は重要です。挨拶内容によって研修の空気感や受講者の受講姿勢も変わることがあります。
研修で挨拶を任された際には、開会の挨拶が、研修を成功させるためのポイントのひとつであるということを意識し、閉会の挨拶では、研修を終えた社員が、会社の利益に繋がるよう、研修内容を今後の業務に活かすことを意識させるための挨拶である、ということを頭に入れておきましょう。
研修の挨拶で押さえておくべきポイント
研修の挨拶で押さえておくべきポイントはいくつかあります。
とくに、「挨拶を行う目的」と「挨拶に入れるべき内容」は押さえておきましょう。
挨拶を行う目的
まずは、なぜ司会者が挨拶を行うのか、挨拶を行う目的を理解しておきましょう。
挨拶を行う目的を理解することにより、どのような挨拶を行うべきなのかが明確になる場合があります。
(1)連帯感を出し、受講者の気持ちを高めるため
研修を受けたくて受けている人もいれば、上司や会社からの話があって受けている人もいます。
様々な想いがある中で研修がスタートするため、研修に連帯感を出すためにも、開会の挨拶で受講者の気持ちを高めることが必要です。
挨拶の内容も大切ですが、まずは司会者が元気よく挨拶をすることで、聞いている人の受講のモチベーションを高められる場合があります。
暗くモゾモゾした挨拶では、研修全体の雰囲気が暗くなってしまうため、元気にハキハキと挨拶することが重要です。
受講者の連帯感は、結果的に研修の成功にも繋がる場合があるため、まずは開会の挨拶で気持ちを1つにすることを意識しましょう。
(2)受講に対しての感謝を伝えるため
研修は、業務の合間や通常業務が行われている中で、時間を作って行われる傾向があります。
受講者も忙しい中で研修に参加していることになるため、受講してくれていることに対しての感謝を伝える必要があります。
開会の挨拶だけでなく、閉会の挨拶でも研修に参加してくれたことへの感謝の想いを伝えることが大切で、研修内容が今後の業務に役立ち、自身の成果に繋がるということを強調しつつ、挨拶を行いましょう。
感謝の言葉は、場の雰囲気や気持ちが和む効果もあるため、挨拶に盛り込むようにしてみてください。
(3)研修を行う目的を伝えるため
研修に参加する理由が分からない、何のための研修なのか曖昧、という受講者がいる場合があります。
そのため、研修を行う目的や主催側の狙い、研修後に受講者が得られることを再確認するのもひとつです。
ただし、目的を持って参加している受講者もいるため、長く話すことは避け、端的に伝えるようにしましょう。
受講者が研修を行う目的を再確認することにより、研修に対しての気持ちの切り替えにも繋がる場合があることを留意しておきましょう。
挨拶に入れるべき内容
挨拶を行う目的を理解した上で、挨拶に入れるべき内容を考えていきます。
内容を具体的に考えておくことで、挨拶の際の言葉も自然と話せるようになる傾向があります。
受講に対する感謝の言葉
まずは受講してくれていることに対しての感謝の言葉です。
忙しい日々の合間で受講してくれていることを頭に入れ、感謝の言葉を一文入れましょう。
本日はお忙しい中、今回の研修会に足を運んでいただき、心から感謝申し上げます。 |
研修を行う目的
研修が開かれることには何か理由があるため、主催側が研修に求めることや、受講者に求めることを理解してもらい、研修全体に連帯感を持たせます。
研修が行われることになった経緯、研修を行う目的、研修を受講してほしいメインターゲット、研修後に得たい成果や結果、などの説明を入れましょう。
今回の研修は、コロナ禍により、多くの部署がオンラインでの対応となり、非対面である分、上手くコミュニケーションを取ることが難しくなってきました。 コミュニケーション能力が高いことは、結果、会社の利益にも大きく関わるため、ぜひ本研修で、リモートでのコミュニケーションスキルを学んでもらえたらと思います。 今後、お客様や他社様と多く接する機会が多い皆さまだからこそ、今後の会社を支えていく気持ちで、本研修に臨んでいただけたらと思います。 |
受講することのメリット
「研修なんてめんどくさい」「自分には関係ない」などの気持ちを持っている受講者も中にはいるかもしれません。
そのため、研修を受ける全ての人にメリットがあることも伝えるようにしましょう。
受講することで得ることができるメリット、本研修が様々な場面で役立ち自身の成果に繋がる内容であること、などが分かる説明を入れましょう。
本研修は、会社の業務に関わらず、プライベートでも活用できるコミュニケーションスキルを学ぶことができます。 様々な場面で非対面が重要視される世の中であるため、話し方や聞き方は非常に重要で、本研修でのコミュニケーションスキルは、相手の気持ちを理解することや、自身の想いを伝えやすくなるなどのメリットがあります。 |
受講者の実績
過去に研修を受講した人の実績や成果を話に出すことは、研修を受ける気持ちをより高めることができる上に、本研修を受けることのメリットも、更に伝わりやすくなります。
過去の受講者の現在の実績や会社の状況、自身の受講経験があればその話を入れることを検討してみましょう。
実績を話すには、日ごろから情報を収集することや、メモを取ること、また受講者へのインタビューを行うなどの工夫が大切です。
実名を出して話をする際には、名前を出すことを受講者へ確認した後に、話に組み込みましょう。
昨年、本研修を受講した〇〇さんは、研修で学んだコミュニケーションスキルを生かし、リモートによる営業にも関わらず、営業成績を2倍に伸ばした実績があります。 |
講師の情報
最後に、本研修の講師となる方の紹介を入れます。どんな人が講師となるのか、受講者も知っておいた方が心を開きやすく、研修の成功にも繋がります。
講師の名前、略歴は話せるようにしておきましょう。
今回、本研修の講師を務めてくれるのは、長年にわたり、コミュニケーションの重要性を発信し、過去5年で500社ほどの講師を務めた経験を持つ〇〇 〇〇さんです。 コロナ禍によりリモートワークが進み、売上が低迷した〇〇社の講師を務め、今では〇〇社の売上はコロナ禍前の売上を上回るほどの勢いがあります。 |
研修の挨拶での注意点
研修の挨拶での注意点にはいくつかあります。
とくに、「話し方」と「話す時間」には注意が必要です。
話し方
研修の司会者だからと言って、偉そうな態度や自信なさそうに話すのは避けましょう。
偉そうに挨拶をすることは、受講者から反感を持たれやすく、気持ちを高めて受講してほしいという気持ちとは逆に、受講者の気持ちを下げることに繋がってしまうおそれがあります。
反対に、自信なさそうに話すことは、研修受講への不安が増加することや、信頼感を失うことに繋がり、研修全体の雰囲気が暗くなることや、講師の方へも失礼な結果となる可能性があります。
挨拶をする際には、丁寧に話すことを意識し、元気のあるハキハキとした声で話すように心がけましょう。
また、受講者へ向けて話をしているということを頭に入れ、棒読みや表情が硬くならないよう、リラックスした状態で挨拶をするようにしましょう。
話す時間
研修の目的は、講師から学ぶことであり、受講者も講師の話を聞くために受講しているため、司会者の挨拶は2〜3分程度で終わりにできるようにしましょう。
司会者の挨拶が長すぎてしまうと、講師の話を聞く前に受講者が飽きてしまったり、講師の話す時間を削ることに繋がってしまう可能性があります。
気持ちが高くなることで、思っている以上に話しすぎてしまうこともあります。
挨拶の時間は、実際に時間を計って練習するなどの準備を行いましょう。
挨拶の例文
挨拶の例文を紹介するので、挨拶を考える際の参考にしてみてください。
開会の挨拶の例文
開会の挨拶の例文を紹介します。
下記は、「チームの結束力をどのように向上していくべきか」というテーマの研修を例とした挨拶例文です。
本日はお忙しい中、本研修にご参加いただき、誠にありがとうございます。
コロナ禍の影響でリモートワークが普及したことにより、非対面での業務が増加し、孤独感やチームの結束力低下に悩みながら業務を行う方が増加しています。 チームの結束力は会社の売上にも繋がるため、リーダーである皆様には、リモートワークでどのように結束力を高めるべきかを本研修で学んでいただき、ぜひ実践していただけたらと思っています。
そして、本研修を受講することは、皆様のリーダーシップ向上にも繋がり、将来、皆様が会社を支える位置に就くことも考えられます。その際にも、本研修で学んだ能力は、会社全体をまとめるために役に立つことばかりです。 また、受講者の90%近くの方が目標を達成し、会社の売上に貢献している実績があります。
このような実績のある研修で、今回講師を務めてくれるのは、講演会や研修講師として10年間の経歴を持ち、受講者の多くが大手企業の役員になるまでの成長を遂げている、〇〇 〇〇先生です。 それでは〇〇先生、よろしくお願いいたします。 |
挨拶に組み込む内容やポイントを押さえつつ、文章の繋ぎにも意識しましょう。「また」「そして」などの言葉を用いて、流れの良い文章になることで、受講者にも伝わりやすくなる場合があります。
閉会の挨拶の例文
司会者の挨拶は、研修の最後にも行いますが、開会の挨拶の時に比べ、長くならず、端的に重要点のみを伝えられる挨拶になることを意識しましょう。
本研修は、以上をもちまして、終了となります。
チームの結束力は、会社の売上にも関わる重要な点であり、リモートワークだからこそ1人1人のケアや、話を聞く時間は非常に重要です。 1人ではなく、チームがあるからこそ頑張れるということを意識し、明日以降の業務で学んだことを生かしていってもらえたらと思っております。
〇〇先生、本日は貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました。 そして、参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。 |
開会の挨拶で行った、受講者への感謝の気持ちは、締めの挨拶にも組み込むことで、研修に参加して良かった、という気持ちを持ってもらいやすくなります。
また、研修が今後も続くものや、受講者に役立つ研修が他にもある場合には、次回の予告や告知を忘れずに入れましょう。
研修の挨拶前に行うべき準備
研修での挨拶を任された際には、研修が成功するためにも、事前準備を十分に行うようにしましょう。
「ぶっつけ本番」「その場で考える」などは、参加している受講者や講師に対しても失礼な行為となる可能性があるため避けましょう。
挨拶内容とプログラムをまとめた書類の作成
司会者が行う挨拶は、主に開会の挨拶と閉会の挨拶ですが、研修では質疑応答や休憩のタイミングごとに、司会者からのきっかけの一言が必要となります。
どのタイミングでどの挨拶をするのかを、あらかじめまとめておくようにしましょう。
そして、流れを把握した上で、開会の挨拶と締めとなる閉会の挨拶内容を作成しておきましょう。
作り方は、文章でまとめる方法と、ポイントのみを箇条書きでまとめる方法があります。どちらの場合でも、受講者へ伝えたい重要な点が漏れないように記載し、見やすくまとめることが大切です。
スムーズな挨拶を行うための事前練習
挨拶の時間の目安は、2〜3分程度です。挨拶が長すぎてしまうと、講師の方へ迷惑がかかってしまうことや、受講者の気持ちを下げてしまうきっかけにもなるため、事前練習で時間を測って練習をすることが大切です。
また、話す内容にまとまりがない、受講者へ伝わりにくい内容になっている、早口で頭に入ってこない、などの状況を避けるためにも、第三者による確認も必要です。「友達」「家族」「上司」などの協力を得て、挨拶を行う姿をチェックしてもらうことや、自身の姿を動画で撮影し、実際に目で見て確認するなどの工夫を行いましょう。
受講者に向けた必要書類の準備
場合によっては、挨拶に合わせて資料を配布することや、映像を流すこともあります。
挨拶に合わせて必要な書類や映像を流すことを考えている場合には、必要な書類や機材に問題や不備がないかを事前に確認しておきましょう。
書類の不足や映像のストップなどは、研修の雰囲気を暗くしてしまうきっかけにもなるため、研修成功のための事前準備をしっかり行いましょう。
まとめ
研修での挨拶には、挨拶を行う理由があります。
受講者に対して感謝を伝えることや、研修の目的を明確にし、全受講者に連帯感を出すためなど、挨拶を行う目的を理解し、挨拶内容を考えることが大切です。
また、研修を受けることで受講者にどのような影響を与えるのかも忘れずに伝えるようにしましょう。受講者にとってのメリットが分かることで、研修を受ける気持ちにも変化が表れます。